東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘は、スタジオジブリの名作映画「耳をすませば」制作に深く関わった場所として知られています。今年、映画の公開から30周年を迎えるにあたり、特別なイベントが開催されました。10月の11日と12日に行われたこのイベントでは、地元の「せいせき観光まちづくり会議」が主催する、映画の舞台を巡るガイドツアーが行われ、多くのファンが集まりました。
ガイドツアーのスタート地点は、映画に登場する「地球屋」を模したモニュメント「青春のポスト」。参加者たちはまずここで記念撮影を楽しみ、ツアーが始まります。各スポットでは専門のガイドがその場にまつわる歴史や映画との関連性について説明を行い、興味深い話を聞きながら聖蹟桜ヶ丘の魅力を再発見していく形です。
ツアーは合計約1時間にわたって、本物の「さくら通り」や「いろは坂」を巡り、最終的には桜ヶ丘ロータリーへと進みました。途中、参加者たちはスタンプラリーも楽しみながら、「聖蹟桜ヶ丘散策マップ」を手に入れるという達成感も味わいました。337人もの応募者の中から選ばれた78名の参加者には、岐阜や愛媛といった遠方からも訪れたファンがいたことが特筆されます。また、特に盛り上がったのは、米国からのインフルエンサー、Honeykreeさんが参加したことでも話題になりました。
ツアーの途中で訪れた「いろは坂」では、映画の中に登場するシーンを思い出しながら、階段からの美しい景色を楽しむことができました。聖蹟桜ヶ丘の風景は、まさに映画の世界とリンクし、訪れる人々に深い感動を与えていました。
また、最後に訪れたロータリーには、映画の象徴である「愛宕給水塔」がそびえ立ち、参加者たちはその荘厳な姿に心を奪われました。ツアーガイドを務めた太田さんは、自らも映画公開以来この地を訪れ続けているファンであり、聖蹟桜ヶ丘を「映画作品と深く共鳴する場所」と表現しました。太田さんは、ここで生きていこうと決心したことを語り、訪問者には感動を、地元住民には誇りを持ってもらいたいと話していました。
聖蹟桜ヶ丘は、周囲の緑豊かで美しい景観を保ちながら、他の多くのアニメやコンテンツの舞台としても使用されてきました。今年新たにオープンした「せいせきカワマチ」では、SUPやパークヨガなどのアクティビティも楽しめる空間が広がり、地元住民や訪問者から人気を集めています。最新の調査によれば、20~30代の新しい住人が増えており、聖蹟桜ヶ丘はファミリー層にも人気のエリアとなっています。
「耳をすませば」がもたらすストーリーと聖蹟桜ヶ丘の美しい景観は、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。映画の名シーンを追いながら街を巡る体験は、ファンにとっては特別な思い出となり、今後の聖蹟桜ヶ丘の発展にも期待が高まります。
■「耳をすませばガイドツアー」開催概要
日時:10月11日(土曜日)・12日(日曜日)
1回目:午前11時~正午
2回目:午後2時~午後3時
場所:聖蹟桜ヶ丘駅~さくら通り~ファミリーマート聖蹟桜ヶ丘店前~いろは坂通り~いろは坂公園~金比羅宮~桜ヶ丘ロータリー
参加人数:78人(応募人数:711人)