近年、多くの人々が海外ボランティアとして途上国での経験を積むことを選択しています。特に「JICA海外協力隊」として活動した人々は、その後のキャリア形成において大きな影響を受けたと言います。今回の記事では、途上国ボランティアを経験した3名の話を通じて、彼らがどのように成長し、帰国後にその経験をどう活かしているのかを探ります。
梅谷菜穂さんのストーリー(ラオス)
- - 派遣先: ラオス
- - 活動期間: 2018年1月~2020年1月
梅谷さんは元々、商社に勤めていました。大学生活では東南アジアを旅行し、当地の人々と生活環境の違いを目の当たりにした経験が、彼女の人生の転機となりました。「JICA海外協力隊は、自分には無理な選択肢だと思っていた」と語る彼女ですが、しっかりと理由がありました。安定した職を捨て、新たな挑戦を選んだのです。
ラオスでは、コミュニティ開発に従事し、地元の人々と手を取り合いながらさまざまなプロジェクトを進めました。この経験から、彼女は社会課題に対するアプローチの仕方を学び、帰国後、ラオス製の布を使用したアパレル・雑貨ブランド「siimee」を立ち上げました。特に、JICAでの経験を通じて培ったデザイン力と現地の人々との信頼関係が、彼女のブランドに活かされています。
町田憲治さんの物語(エチオピア)
- - 派遣先: エチオピア
- - 活動期間: 2018年7月~2020年2月
町田さんは、地域の課題解決に取り組む役割を果たすために、エチオピアに派遣されました。彼のライフスタイルには、海外ボランティアの経験が非常に重要な意味を持っています。現地での活動は、コミュニティ開発において地元の人々と共に問題解決のための活動をするものでした。彼が帰国後に選んだのは、新潟県の地域おこし協力隊として、地元活性化に貢献する道です。
町田さんは“まちを編集する本屋さん”というモットーのテナント「SANJO PUBLISHING」で書店の運営に携わっています。エチオピアでの経験は、地域の人々との信頼関係や効果的なコミュニケーションを学ぶ機会となり、現在の仕事にも役立っています。
清水香奈さんの経験(フィリピン)
- - 派遣先: フィリピン
- - 活動期間: 2016年7月~2018年3月
清水さんは教員として途上国での教育活動に従事していました。彼女の動機は、大学のパンフレットに写っていた子どもたちの笑顔でした。派遣先では、障がいを持つ生徒に対する移行支援教育や、学校に通えない子どもへの訪問教育を行いました。この経験を通じて、保護者や教師との協力がどれほど教育に影響するかを学んだ清水さん。
現在は特別支援学校で勤務し、これまでの経験を活かした国際理解教育に取り組んでいます。彼女は、子どもたちがより豊かな教育環境で学べるようにするために、さまざまな工夫をしています。
まとめ
これらのストーリーからは、海外ボランティアの経験が個々のキャリア形成にどれほど影響を与えるかが見えてきます。途上国での活動を通じて、彼らは自己の成長だけでなく、社会への貢献という形で新たな道を歩んでいることを証明しています。未来を模索する若者たちにとって、大いに参考にすべき事例と言えるでしょう。