発達障害とコロナ
2021-04-01 10:46:39
発達障害啓発週間に見るコロナ禍での発達状況悪化と新たな支援サービス
発達障害啓発週間に見るコロナ禍での発達状況悪化と新たな支援サービス
2021年4月2日から8日は、発達障害啓発週間とされており、世界自閉症啓発デーを含んでいます。この期間に行われた調査によると、コロナ禍が多くの子どもたちにとって発達に影響を及ぼしていることが明らかになりました。特に、64%以上の保護者が、子どもの発達状況は「悪化した」と回答しており、その要因として「困った行動が増えた」という意見が34.8%を占めています。
調査結果の詳細
具体的には、保護者の27.1%が「発達の遅れや偏りが気になる」と回答し、また25.0%の家庭では「親の精神的負担が増えた」と感じています。この結果は、コロナ禍での様々な制約が親子に与えるストレスを浮き彫りにしています。
さらに、相談環境についても66.7%が「悪化した」と回答しており、その理由には「対面での相談が困難になった」ことが挙げられています。家庭での支援が難しい今、それに対してどう対応していくかが問われています。
相談のハードル
発達に関する相談を行っていない保護者が全体の10%いることも注目される点です。その理由は「相談への不安や葛藤」の影響が大きく、特に心理的な障壁が相談へのハードルを高くしています。多くの保護者は安心して相談できる場を求めていますが、実際に求められる支援が得られていないのが現状です。
53.9%の保護者は「対面での相談」を好み、42.6%は「専門的な支援」を求めています。これは、相談する際の心理的安心感がどれだけ重要かを示しています。
新たな取り組み「kikotto」の登場
そんな中、特定非営利活動法人ADDSはオンライン相談サービス「kikotto」を開始しました。このサービスは、発達について気になる保護者がいつでも専門家に相談できるプラットフォームです。相談員は公認心理師、社会福祉士、特別支援学校教諭などの専門家で構成されており、実際の相談も対面に近い形で行えます。
毎月の定額料金で利用でき、LINEを介したテキスト相談やZoomを用いたオンライン面談など、多様な相談方法が提供されています。特に、LINEによる相談は手軽に行えるため、育児に忙しい親に好評です。こちらでは、相談者の信頼関係を築くために、初めの15分は無料の聞き取りが行われるなど、安心感を重視した取り組みがされています。
より良い支援に向けて
このような状況を受けて、今後の課題として、どのようにして本当に必要な支援を子どもたちに届けるかが重要です。ADDSは年間1万6千件の相談を目標として、さまざまな支援を展開していくとのことです。分かりやすく信頼できる情報提供と相談が、発達障害に対する理解を深め、困難を抱える家族を支えていくことを期待したいです。
全国的な状況を改善するためにも、個々の発達を考慮した支援の在り方がこの啓発週間をきっかけに見直されることを望みます。
お子さまの発達への関心が高まる中、保護者たちが安心して相談できる環境の整備は急務です。オンラインサービス「kikotto」は、その一つの手段として、今後の発達支援に新たな風を吹き込むことになるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
特定非営利活動法人ADDS
- 住所
- 杉並区荻窪5丁目16-14カパラビル5F
- 電話番号
-
03-6915-1545