AI時代の新たな可能性を開くNTTデータとNutanixの新サービス
近年、企業の業務効率化や価値創出に欠かせない要素となっている生成AI。今、その導入を手軽に始められる新たなサービスが登場します。株式会社NTTデータ先端技術、NTT・TCリース株式会社、そしてニュータニックス・ジャパン合同会社の三社は、2026年3月に「INTELLILINK Private AIスタートパック」の提供を開始することを発表しました。
このサービスは、特にセキュリティやコストの面で導入に慎重な企業に向けて設計されたもので、安心して生成AIを試験的に利用できる環境を提供します。情報漏えいやサイバー攻撃のリスクを抑えつつ、企業のニーズに対応するために、各社の専門性を活かした魅力的な内容が盛り込まれています。
背景
生成AIが進化を続ける中、多くの企業がその導入を検討していますが、機密性の高い情報を扱う企業にとっては大きな障壁が存在しています。クラウド利用の際のセキュリティリスク、さらには高額なオンプレミス環境構築コストが、その障壁を一層厚くしています。また、専門人材の不足が新たな問題として浮上しており、環境構築や機材選定における負担が企業の導入歩を鈍らせている現状があります。
これらの課題を踏まえ、NTTデータ先端技術は、これまでの技術力や実績を駆使し、「Private AI」の提供を通じた解決策を提示しました。安全でスピーディーに生成AIを活用するための手段として、企業に新たな価値を提供することを目指しています。
「INTELLILINK Private AIスタートパック」の特長
この新サービスには幾つかの際立った特長があります。第一に、AirGapped構成によって外部ネットワークから完全に隔離された環境が実現されていることで、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。これにより、機密データを安全に運用できます。
第二に、柔軟なサブスクリプションモデルが採用されています。6か月からの月額契約が可能で、自社でシステムを構築するよりもはるかにコストを抑えたスタートが実現します。
さらに、サービスの導入が迅速であり、生成AIの推論環境とアプリケーション実行環境が整ったオールインワンパッケージが、契約後最短1か月で利用可能になるという点も大きな魅力です。専任の専門家による技術支援や活用アドバイスもオプションとして提供され、企業のPoC(Proof of Concept)の成功を強力にサポートします。
各社の役割
このプロジェクトでは、Nutanixはプラットフォームを提供し、Private環境での生成AIの統合管理を可能にする「Nutanix Enterprise AI」を採用しています。そして、ファイナンスのノウハウに精通したNTT・TCリースが、サブスクリプションモデルを担い、NTTデータ先端技術が安心・安全なPrivate AIシステムの構築を担当しています。
サービス利用の流れ
このサービスを利用する流れはシンプルで、契約後早ければ1カ月で利用開始が可能です。顧客はHugging Faceで公開されている標準化されたLLM(大規模言語モデル)を選択することができ、検証済みの環境で安心して生成AIを試すことができます。オプションとして生成AIの専門家によるPoC実施支援も利用できます。
未来への展望
今回の取り組みを通じて、NTTデータ先端技術とそのパートナー企業は、より広範な顧客ニーズに迅速に応えていくとともに、Private AIが浸透する未来を目指します。社会や企業のデジタルトランスフォーメーションを促進し、新たな価値創出をサポートしていくことを表明しています。この新サービスが、日本の企業の競争力強化に寄与することを期待したいところです。