関光ロジNEXTが新たに始動した共同輸送の取り組み
関光ロジNEXT株式会社は、2023年10月より、アパレルや雑貨といった商材を対象に新たな共同輸送プロジェクトを開始しました。この取り組みでは、従来のトラック輸送の依存を減らし、海運モーダルシフトを進めることを目指しています。この新しい物流システムは、環境負荷の低減、ドライバーの労働時間の短縮、そして物流の効率化を同時に実現するものです。
モーダルシフトの重要性
これまで、日本の物流業界はトラックによる輸送が主流でした。しかし、トラック輸送はCO₂排出量が高く、ドライバーの労働環境にも課題があったため、業界全体での効率化と環境負荷の軽減が求められていました。関光ロジNEXTは、こうした背景を受け、国際フェリーと国内フェリーを組み合わせた複合一貫輸送を通じて、モーダルシフトを推進しています。
共同輸送の具体的な内容
このプロジェクトでは、関光ロジNEXTと他の3つの商社がアライアンスを結成しました。彼らは中国から輸入される関東向けの貨物を下関港に集め、この港から横須賀港経由で関東圏の中心地までの幹線輸送を共同で行う「共同輸送」を実施しています。この取り組みの一環として、関光ロジNEXTグループの東京九州フェリーが大部分の幹線輸送を担当します。
プロジェクト開始から10月末までに、集約された貨物量は約68台分のトラックに相当し、海上輸送が導入されたことにより、試算で約102トンのCO₂排出量を削減しました。
今後の展望と拡大計画
現在の「共同輸送」からさらに発展し、今後は納品先までの一貫配送を実現した「共同配送」のシステムも構築を目指しています。関光ロジNEXTは、モーダルシフトの効果を実証しながらさらに取引先企業との連携を強化し、共同配送の範囲を広げていきます。これにより、業界全体の効率向上のみならず、持続可能な物流システムの確立にも寄与することが期待されます。
企業の背景と取り組みの意義
関光ロジNEXTは1948年の創業以来、海上交通の要衝である下関周辺で物流網を構築し、日本経済に貢献してきました。近年、気候変動への対応や労働環境の改善が求められる中で、同社の取り組みは非常に重要な意味を持つものです。共同での輸送や配送方式の見直しは、輸送効率だけでなく、持続可能な社会を実現するためにも必要不可欠なプロジェクトであると言えるでしょう。
結論
関光ロジNEXTの共同輸送の取り組みは、単なるコスト削減にとどまらず、環境負荷の低減や労働環境の改善に寄与する全く新しい物流モデルを築くための重要なステップです。これからの挑戦として、共同配送の実現を通じて、さらなる効率化と環境への配慮を高めていくことが期待されます。