鞄教室再興!モリ工芸が目指す皮革製品の未来とは
東京・北区赤羽にて20年以上の歴史を持つモリ工芸は、次世代の革鞄職人の育成を目指しています。しかし、コロナ禍の影響で鞄教室の生徒数が激減し、これを契機に今までにない高級革製品を作り出す新たな挑戦を始めることとなりました。その第一歩として、クラウドファンディングを活用した資金と生徒の募集を開始しました。
目指すは日本一の皮革製品製造技術集団
モリ工芸は、ただの教室を再建するだけでなく、日本一の皮革製品製造技術集団を作りたいと考えています。AIが普及する時代において、同じデザインや品質を持つ合成皮革やナイロン製品はロボットによる大量生産が考えられます。しかし、天然皮革の一つひとつは、その形状や質感が異なり、ロボットが扱うには難しい素材です。したがって、天然皮革を扱える職人を育成することは、今後の時代においても非常に重要な役割を果たすと信じられています。
新しい商品開発の試み
モリ工芸では、一般的には手縫いの皮革製品に使用される麻糸とは異なる素材、絹糸を使用した商品開発にも力を入れています。麻糸は伸縮性がほとんどなく、使用において意外と切れやすいという課題があります。一方、絹糸は毛羽立たず、伸縮性に富んでおり、剣道着や三味線の糸としてもその信頼性を誇っています。さらに、モリ工芸では未精錬の絹糸を使用することで、光沢は劣りますが、強度と耐久性を兼ね備えた独自の商品づくりを行っています。
SDGsの観点からの古い革製品のリメイク
また、最近のSDGsの観点も取り入れ、廃棄寸前の古いワニ革製品を分解し、クリーニングと補強を行った後にリメイクすることで、新たな命を吹き込む試みも続けています。数十年前に作られたワニ革のバッグを、魅力的な商品に生まれ変わらせることで、高い技術を駆使し、貴重な素材を無駄にすることなく活用する姿勢を貫いています。
クラウドファンディングの概要
モリ工芸はこのプロジェクトを「レディフォー」というクラウドファンディングサイトで展開中です。2024年11月22日から2025年1月20日までの期間で1,000,000円を目指し、成功すれば将来的にECサイトの立ち上げを予定しています。返礼品には、工房オリジナル商品や、生徒への授業料割引クーポンが含まれ、限定アイテムが多く用意されています。
特に注目される返礼品として、カロング革製カードホルダーやクロコダイル絹糸手縫いベルトが挙げられます。これらの商品は、独自のデザインと逸品のクオリティを兼ね備え、確かな強度や美しさを誇ります。
結論
モリ工芸は、ただの鞄教室にとどまらず、職人を育成し、高級レザー製品の世界への挑戦を続けています。今後の活動を通じて、日本の皮革製品製造技術が世界に通用する時代が訪れることに期待が高まります。その一翼を担うべく、私たちもこのプロジェクトを応援したいです。