北九州市が展開する生物多様性戦略「アーバンネイチャー北九州」
近年、世界的な環境問題が注目される中、北九州市は生物多様性に関する新たな取り組みを発表しました。これにより自然環境と都市の調和を目指し、地域のポテンシャルを最大限に活かすことを狙いとしています。以下に、改定された「北九州市生物多様性戦略」の概要を詳しく解説します。
1. 北九州市の自然の特性
北九州市は3つの海に囲まれ、近隣には豊かな森林が広がる一方で、曽根干潟や響灘ビオトープなど、貴重な生きものの生息地が点在する地域です。政令指定都市でありながら、自然環境が身近にあるこの地の特性を「アーバンネイチャー北九州」と称し、地域の強みとして再構築しました。
2. 改定された戦略のポイント
(1) 市民との共同作成
北九州市は「アーバンネイチャーフォトコンテスト」を通じて、市民の皆さんから寄せられた作品を戦略に盛り込むことで、市民との協働を重視しています。このような取り組みにより、戦略は単なる行政計画ではなく、地域の人々と共に作り上げられたものと言えます。
(2) 読みやすさとデザイン
また、戦略の策定にあたっては、コラムや解説を多く盛り込み、デザインにも工夫が凝らされています。読みやすく、楽しく親しめるような内容となっている点が特徴です。
3. ネイチャーポジティブセンターの設置
戦略を推進するため、北九州市内の10の公共施設が「ネイチャーポジティブセンター」として指定されます。これは、地域の生物多様性を促進するための拠点として機能し、全国的にも先駆的な取り組みです。市の豊富な施設を活かし、生物多様性向上に貢献する活動が期待されています。
4. PR強化月間の実施
令和7年6月には「アーバンネイチャー北九州」のPR強化月間が予定されており、広報や各種イベントを通じてこの取り組みを広く周知していく計画です。ポータルサイトの開設や、記念イベントの実施など、多岐にわたる計画が立てられています。
(1) ポータルサイトの開設
新設されるポータルサイトでは、ネイチャーポジティブセンターのイベント情報やその他の関連情報を一元的に提供します。日本語だけでなく英語版も用意し、外国の方にも魅力を発信することを目指します。
(2) 記念イベントの開催
記念イベントでは、北九州市の自然を体験できるさまざまなアクティビティが予定されています。特に「アーバンネイチャーフォトコンテスト」の入賞作品展示会は注目されています。
5. ネイチャーポジティブ宣言の発表
北九州市は令和7年5月22日に「ネイチャーポジティブ宣言」を行う予定です。これは、西日本の政令市として初の取り組みで、地域の生態系を守るための様々な活動を今後も推進する意向を示した重要な宣言です。
6. プロモーション用ロゴの作成
この取り組みを広めるため、2種類のロゴマークも新たに制作されました。効果的なプロモーションを通じて、北九州市のブランド力向上にも寄与することが期待されています。
まとめ
北九州市の「アーバンネイチャー北九州」は、生物多様性の保全に向けた市民参加型の取り組みです。地域資産を活かし、環境問題に対して前向きに取り組む姿勢は、今後の持続可能な都市の在り方を示すものと言えるでしょう。この新たな戦略がどのように進展していくのか、注目が集まります。