ナウルの海洋発電
2021-06-30 14:00:05

ナウル共和国における再生可能エネルギーの新たな挑戦と展望

ナウル共和国の海洋温度差発電プロジェクトとは



2023年、ナウル共和国における海洋温度差発電導入のプレ・フィジビリティースタディ(Pre-FS)プロジェクトが採択されました。このプロジェクトは、一般社団法人海外環境協力センター(OECC)が、佐賀大学海洋エネルギー研究センターと協働で推進しているものであり、国際的な気候変動技術移転を手がけるCTCNによって承認された初の日本の再生可能エネルギー技術案件となります。

プロジェクトの背景



ナウル共和国は、太平洋南西部に位置する人口約1万3000人の小さな島国です。かつてはリン鉱石の輸出で栄えましたが、経済は厳しい状況にあります。1980年代には、東京電力による海洋温度差発電の実証研究が行われたものの、技術的な課題から商業化には至りませんでした。現在、同国の電力供給はほぼすべてがディーゼルで賄われており、再生可能エネルギーの導入は進んでいるものの、その多くが変動性のある太陽光発電によるものです。

持続可能なエネルギーの必要性



ナウル政府は、2050年までに再生可能エネルギーの比率を100%にすることを目標に掲げています。この目標達成のためには、海洋温度差発電の導入が極めて重要です。

オンライン会議の開催



2023年5月には、ナウル政府、CTCN、OECC、佐賀大学海洋エネルギー研究センターなどが参加するオンライン会議が開催され、GCF(緑の気候基金)からの支援を受けた海洋温度差発電の社会実装に向けた合意が形成されました。これは、ナウルにおける持続可能なエネルギー確保に向けた一歩です。

東京大学の参画



さらに、東京大学大学院新領域創成科学研究科もプロジェクトに参加し、ナウル共和国における海洋温度差発電のポテンシャル解析・評価を進めています。これにより、より具体的な実現可能性が探られています。

CTCNとGCFの役割



CTCN(気候技術センター・ネットワーク)は、気候変動に関する技術移転を促進する国際機関として、開発途上国のニーズに基づいた支援を提供しています。日本政府も460万ドルを拠出するなど、国際的な支援を行っています。一方、GCFは、途上国のGHG排出削減や気候変動への適応を支援するファンドで、ナウルの再生可能エネルギープロジェクトにも資金を提供する予定です。

結論



ナウル共和国における海洋温度差発電の導入は、再生可能エネルギーの普及と気候変動対策の新たな事例となる可能性があります。これからの進展に期待が高まります。プロジェクトの成功は、地球規模での持続可能な開発の一助ともなり得る事例です。

会社情報

会社名
一般社団法人海外環境協力センター
住所
東京都千代田区内幸町1-3-1幸ビルディング3階
電話番号
03-6811-2500

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