使い捨てコンタクトレンズのケミカルリサイクル実証実験開始
2023年、コンタクトレンズの製造販売を行う株式会社シードを含む4社は、使用済みのコンタクトレンズのブリスターケース、いわゆる空ケースを新たな原料として利用する「ケミカルリサイクル」の実証実験に乗り出しました。この取り組みの目的は、消費者から回収した空ケースを新しい空ケースに変換することで、持続可能な循環型モデルを確立することです。
ケミカルリサイクルとは何か?
このプロセスでは、不要になったプラスチックを分解し、油やガス、モノマーといった原料レベルに戻すことで、再利用できる新たなプラスチック製品を製造できる手法を指します。シードは2019年から「BLUE SEED PROJECT」を始めており、これまでに全国の協力施設を通じて多くの空ケースを回収し、リサイクル利用を実現しています。
実施の背景と目的
本実証実験には、シードをはじめ、リファインバースグループ、三菱ケミカル、日本ポリプロが参加しており、価格の高い安心・安全が求められるコンタクトレンズの空ケースを、高い品質を保ちながら再生させることを目指しています。彼らの連携により、2030年には環境配慮型の製品を市場に提供できるよう、規模を広げていく方針です。
実証実験の流れ
この実証実験は、2025年10月にスタートし、全国の眼科やコンタクトレンズの販売店から収集した空ケースをケミカルリサイクルによって再資源化し、新しい空ケースを製造する計画です。再生原料を使用した新しい空ケースはシードが販売するコンタクトレンズに使用され、2027年に市場に出る予定です。また、リサイクル材の投入量に応じて製品に適した特性を割り当てる「マスバランス方式」を導入し、循環システムの透明性を高める努力も行われます。
サステナビリティに向けた取り組み
本プロジェクトは、国際的なサステナビリティ認証制度「ISCC」に基づいて管理されています。この仕組みにより、回収から再資源化、製品化に至るまでの流通過程を記録し、リサイクルの信頼性を向上させます。また、協力施設の選定にはISCC認証に準拠した「自己宣言書」取得を求め、正確な分別・回収体制の構築を進めます。
未来を見据えた資源循環モデル
この実証実験を通して、コンタクトレンズ業界における資源循環のさらなる普及と拡大を目指します。4社は共同でプラスチック資源の有効活用を進め、持続可能な社会の実現に貢献することを約束しています。シードの社長、佐藤隆郎氏は、今後も循環型社会の構築に向けた取り組みを続け、消費者のニーズに応えながら環境負荷を低減する商品開発を進める重要性を強調しています。
会社概要
- - 株式会社シード:1951年に研究を開始し、1957年に設立。コンタクトレンズ業界のリーダーとして、国内外での資源提供を行っており、今後も企業としての成長と社会貢献を目指して活動を続けています。
- - 株式会社リファインバースグループ:サステナブルな موادを用いた資源循環の技術開発に特化し、環境意識の高い循環型社会の実現に寄与する製品を展開しています。
- - 三菱ケミカル株式会社:基礎化学品から機能商品まで幅広い素材を提供し、「KAITEKI」の理念に基づき、社会課題解決に向けた取り組みを進めています。
- - 日本ポリプロ株式会社:国内最大のポリプロピレンメーカーとして、業界の需要に応じた製品の開発に貢献し、グローバルに展開しています。