九州に物流の新拠点が誕生
SGホールディングス株式会社は、福岡県糟屋郡において2028年6月に新たな大型中継センターを設置することを発表しました。このプロジェクトは、佐川急便やSGリアルティと連携し、九州エリアにおける物流の効率化を目的としています。今後、物流業界はさまざまな課題に直面しており、その解決策を模索することが急務とされています。
物流業界の現在の課題
物流業界は、特に「2024年問題」や「2030年問題」と呼ばれる一連の課題に直面しています。これらの問題は、ドライバーの時間外労働の上限規制や労働人口の減少などに起因しており、2030年までに現在の輸送能力の約34%が不足する可能性が示唆されています。これに対して、SGホールディングスグループは、荷物の積載効率を向上させ、トラックの適正台数を確保することで、この課題に対処することを目指しています。
新設中継センターの概要
九州中継センターの設置は、東京中継センターや関西エリア中継センターの建設に続くもので、今回は福岡県糟屋郡が選ばれました。この新中継センターでは、約35,000㎡の延べ床面積を持ち、毎時3万個の処理能力を前提とし、117バースを確保する計画です。また、このセンターは自社保有の物件として、安定した運営が期待されています。
効率化の具体的な利点
新設される九州中継センターは、近隣の中継センターを集約することによる物流の効率化を図る一方で、労働環境の改善やドライバー不足への対応も促進します。トラックの待機時間や荷物の積み降ろし時間を短縮することで、業務の効率を向上させ、CO₂排出量の削減など環境への配慮にもつながります。このように、新たな拠点の効果は多岐にわたると考えられています。
アクセスしやすい立地
福岡県糟屋郡の立地は、九州自動車道の「福岡IC」からの近さも特筆すべき特徴です。このため、福岡市内及び九州全域へのアクセスが良好であり、広域輸送の利便性が大いに向上することでしょう。
環境への配慮
加えて、新設中継センターには非常用発電設備を導入し、万が一の災害時にも72時間の稼働が可能となります。また、自家消費型の太陽光発電設備を設置することで、再生可能エネルギーの活用も計画されています。このような取り組みは、環境問題への意識が高まる中で、物流業界の持続可能性を確保する一助になることでしょう。
SGホールディングスグループは、今後も物流業界の変化を捉えつつ、顧客のニーズと社会課題の解決に向けたトータルロジスティクスソリューションを提供していく考えです。新しい中継センターがその第一歩となることが期待されます。