改正区分所有法と総会出席率の現状分析
2024年に行われた総会データをもとに、改正区分所有法がもたらす影響を探る調査結果が発表されました。この調査は、大和ハウスグループの大和ライフネクスト株式会社が行ったもので、改正区分所有法の『出席者多数の原則』に関わる重要な情報を提供しています。
調査の背景
これは、2026年4月に施行が予定されている改正区分所有法に基づくもので、この法律では総会に出席しない組合員を議決に参加させない『出席者多数の原則』が導入されます。そこで、2024年の総会データから参加状況を可視化し、その影響を分析することが目的とされています。
出席率の概要
調査によると、2024年における総会の出席率は全体で86.70%に達しました。これを内訳すると、会場での出席は31.22%、委任状の提出が21.91%、そして議決権行使書の提出が33.47%という結果です。未参加の割合は13.30%となっていますが、特にここから出てくる問題が顕在化します。
参加率の戸数別分析
さらに、組合員数に基づく分析によると、マンションの戸数が増えるごとに参加率が減少する傾向が見られます。特に190戸以上のマンションでは、総会の出席率が80%に満たない場合が多く、これは運営上の大きな課題です。
築年数別の参加率
築年数の観点から見ると、特に築20〜25年のマンションで参加率が高く、ピークに達します。しかし、その後は徐々に減少し始め、逆に築55年以上の古いマンションでは再度参加率が上昇する傾向が見られます。この点は、時代の変化とともに居住者の意識も変わることを示唆しています。
改正の影響と今後の課題
今回の改正区分所有法により、総会に出席しない組合員は議論および意思決定のプロセスから完全に排除されることになります。したがって、管理組合運営において民意を正確に反映させるためには、総会への参加を促進することが喫緊の課題とされています。
調査の詳細
本調査は、2025年の4月から6月にかけて実施され、2024年の総会に関する議事録3,609件を分析対象としました。使用されたデータには、組合員数、会場出席者数、委任状提出者数、および議決権行使書提出者数が含まれています。
マンションみらい価値研究所について
『マンションみらい価値研究所』は、マンション管理の専門機関として2019年に設立されました。居住者の高齢化や修繕積立金不足などの問題を取り上げ、新たなマンションの価値創造を目指して調査報告を行っています。
例えば、高齢者の社会参加が難しい問題もあり、彼らの声をどう反映させるかが今後の重要な課題となります。
公式サイトもあり、さらなる情報やレポートが公開されていますので、ぜひご覧ください。
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会社概要
大和ライフネクスト株式会社は、東京都港区に本社を構え、分譲マンションや商業施設の管理サービスを提供しています。1983年に設立され、現在では日本全国で多様なサービスを展開しています。
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