JBDの医療用ARグラス開発プロジェクト
JBDは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)において、東京科学大学や三井化学との共同で進められている「医療用ARグラス開発プロジェクト」に製品を提供することを発表しました。このプロジェクトは、雨宮智宏准教授が代表研究者を務め、医療現場で必要とされる革新的なAR技術を実現するために結集されたチームによって推進されています。
プロジェクトの目標と技術のポイント
プロジェクトの主な目的は、メタマテリアル技術を利用した光導波路ベースの医療用ARグラスの開発にあります。このARグラスは、医師の視線を妨げず、医療行為を支えるために設計されています。特に医療現場では、現実の視覚情報を鮮明に表示することが極めて重要であり、一般的なARグラスとは異なるアプローチが求められています。
具体적으로、光導波路のレンズ設計が改良され、視覚の中心から出射回折格子が外され、医師が実際の医療作業に集中できるように工夫されています。このような設計によって、医療操作を妨げずに必要な情報を提供することが可能になります。さらに、このプロジェクトではフルカラー表示に対応した医療用ARグラスが目指されています。
JBDの「ハミングバードI」採用
プロジェクトで特筆すべきは、JBDが開発した超小型カラー光エンジン「ハミングバードI」の採用です。この装置は、体積がわずか0.4cc、重さが1gと業界最小で、軽量な医療用ARグラスの要件に完璧にフィットします。また、「ハミングバードI」は最大6lmの光出力を持ち、特定の光導波路と組み合わせることで、6000nitsという高輝度を達成することが可能です。この高い輝度は、今後の医療用ARグラスの実用化において役立つと期待されています。
プロジェクトに込められた期待
この医療用ARグラス開発プロジェクトは0.29億円の研究費を投じており、2024年度から2029年度にかけて進む予定です。医療分野でのAR技術の適用は、新しい可能性を開くことでしょう。JBDは、MicroLEDマイクロディスプレイのリーディングサプライヤーとして、医療現場におけるニーズに応える製品開発に力を入れています。
JBDについて
上海显耀显示科技有限公司、通称JBDは2015年の設立以来、次世代のマイクロディスプレイ技術において革新を追求してきました。特にMicroLEDを基盤とした製品は、自動車やAR技術を含む様々な分野で活躍しています。今後も、JBDはこの医療用ARグラスプロジェクトを通じて、AR技術の新しい展開に貢献することを目指しています。
JBDのハミングバードIやプロジェクトに関する進展から目が離せません。医療現場の未来に向けた革新的な取り組みは、新たな技術の誕生を意味しており、期待感は高まる一方です。