災害時に命を守る口腔ケア特別授業
2023年12月1日、宮城県気仙沼市立唐桑中学校にて、災害時における口腔ケアの重要性を学ぶ特別授業が行われました。この授業は、薬用マウスウォッシュ「リステリン」で知られるKenvue(ケンビュー)と日本学校歯科医会、気仙沼市教育委員会が協力し、約60名の中学1年生を対象に実施されました。
災害と口腔ケアの重要性
気仙沼市は、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた地域として知られています。しかし、今回の参加者の多くは震災後に生まれた世代であり、震災を知らない若者たちです。近年、南海トラフ地震など、各地で大規模な地震の可能性が示唆される中、正しい知識と備えが求められています。
実際、東日本大震災では、口腔衛生の悪化が原因で災害関連死が増加した事例もあります。多くの避難者が避難所で誤嚥性肺炎などを引き起こし、最終的には命を落とす結果となりました。そこで、口腔衛生を保つことが災害時に如何に重要かが授業で強調されました。
特別授業の内容
授業は新潟大学の野杁由一郎教授によって行われ、災害時の口腔ケアの必要性とその実践方法について解説されました。口腔内の菌を観察する実習や、マウスウォッシュを用いたケアが体験され、参加者は非常時のケア方法を学びました。
口腔ケアの実践
- - バイオフィルムの理解: 口の中にはバイオフィルムという感染症の元が潜んでいます。このため、災害時にも口腔内部の感染を防ぐためのケアが欠かせません。
- - 水がないときのケア: 水不足の状況を想定し、原液で使用できるマウスウォッシュなどのケア方法が紹介されました。手軽にできる口腔ケアとして、ガーゼやティッシュでの拭き取りも提案されました。
- - 心のケアも重要: 災害時は身体的な準備だけでなく、精神的な安心も重要であると再確認されました。
後半では、スマートフォンに接続して微生物を観察できる顕微鏡を使用し、実際に口内の菌を見る体験がありました。子どもたちからは「気持ち悪い」との反応もあり、興味深い体験となりました。
最後に、水がない環境でも口の内部を清潔に保つ方法について、参加者がマウスウォッシュを使用したケアを実践しました。このような知識と技術は、今後の災害時に役立つものであり、日常的に口腔ケアを行う重要性が再確認されました。
Kenvueの取り組み
Kenvueは、今後も教育機関や地域と協力し、災害教育や健康啓発活動の推進に努めていく姿勢を示しています。同社は、日常の口腔ケアが持つ力を信じ、健康な生活をサポートすることを目指しています。Kenvueについての詳細は、
公式ウェブサイトでご覧いただけます。