鳥海山と海産物のつながりを学ぶ「あきたアワビ調査隊」
2024年7月24日から25日にかけて、秋田県にかほ市で、小学生を対象とした体験学習イベント「鳥海山が産み出す海産物!あきたアワビ調査隊」が開催されました。このイベントは、
海と日本プロジェクトの一環で、次世代に美しい海を引き継ぐことを目的としています。
鳥海山の伏流水の神秘
初日、参加した子供たちは、鳥海山の麓にある「元滝伏流水」に向かいました。ここでは、鳥海山が形成された経緯についてのガイドを通じ、溶岩の地層で蓄えられた雪解け水や雨水がどのように伏流水として湧き出ているのかを学びました。実際に触れた伏流水が冷たく感じられ、幻想的な雰囲気の中での学びは、子供たちに自然の美しさを実感させました。
その後、湧水が海に至る経路を追い、釜磯の湧水を見学しました。ポコポコと湧き出る水に触れて喜ぶ子供たちの姿は、自然との触れ合いの大切さを学ぶ絶好の瞬間でした。水質調査では、湧水が淡水であることを確認し、伏流水が海に与える影響を理解しました。
アワビ栽培の現場
次に訪れたのは、「アワビ種苗生産施設」です。ここでは、アワビの漁獲量が減少している原因やその改善策に関する学びがつづき、実際に稚貝の観察やアワビの生態についての説明を受けました。子供たちは、稚貝の小ささに驚きながら、生育の難しさについて深く考える機会を得ました。
大雨でも学びを忘れず
2日目は雨の影響で、外での学習が中止となりましたが、宿泊先のホテルでの安全な環境の中で新たなプログラムが行われました。アワビや岩ガキの生態に関する学びをビデオで行い、実際の環境がどのように変わっているのかを理解するための貴重な時間となりました。
未来へのメッセージ
これらの学びを通じて、参加した子供たちは自分なりの海洋保護へのメッセージを絵に表現しました。「伏流水を大切にする」「海の生き物を思いやる」「ごみを捨てない」といったそれぞれのメッセージが込められ、環境への関心や行動への意欲が芽生えました。
参加者の声
イベント参加者は、初めは緊張していたものの、様々な体験を通じて仲間と打ち解け、最後に自身の考えを発表した際には精神的にも成長を実感したようです。保護者からも、「楽しい思い出になった」「子供が真剣に将来を考えるきっかけになった」と高評価をいただきました。
秋田県の海を守る取り組み
「一般社団法人海と日本プロジェクトin秋田県」は、海の環境保護活動を行う団体であり、地域の自然や海に関する正しい知識を広めるための様々な取り組みを実施しています。これまでの活動を通じて、次世代に継承された地域の宝や美しい海を愛する心を育むことが目標とされており、今回のイベントはその一環としての役割を果たしました。
子供たちが未来に向けて海をより良い環境にする意識を持つようになることが、今回のイベントの大きな目的でした。