セーフィーとHacobu、日本郵便と連携し「2024年問題」対応に向けた実証実験を開始
クラウド録画サービスシェアNo.1のセーフィー株式会社と、物流DX企業株式会社Hacobuは、日本郵便株式会社と連携し、2024年10月1日から12月31日までの期間、新東京郵便局において、トラックの受付業務の自動化と現場作業の省力化を目指した実証実験を開始しました。
本実証実験では、セーフィーのクラウドカメラとAI技術を活用することで、トラックのナンバープレートを自動認識し、Hacobuのトラック予約受付サービス「MOVO Berth」のデータと連携させます。これにより、事前に入場予約されたトラックをスムーズに誘導することが可能となり、ドライバーの待機時間の削減に貢献します。さらに、「MOVO Berth」のダッシュボードでは、車両の入退場記録や荷待ち時間の全体傾向を可視化することで、物流現場のオペレーションの効率化を目指します。
実証実験の背景:物流業界における課題とデジタル化の必要性
近年、物流業界では深刻な人手不足と労働時間の長時間化が課題として挙げられており、2024年問題と呼ばれる状況に直面しています。トラックドライバーの働き方改革が進む中、長時間労働の削減と効率化が急務となっています。
日本郵便では、持続可能な物流を目指し、「荷待ち・荷役作業等にかかる時間の把握、2時間以内ルール」など、様々な取り組みを進めています。これらの取り組みを効果的に進めるためには、トラックの荷待ち・荷役の実態を正確に把握することが不可欠です。
セーフィーは、映像データを用いた遠隔監視や映像解析によって、物流現場のDXを推進してきました。例えば、トラックの荷積み・荷降ろしを行うバースにカメラを設置することで、遠隔地の事務所スタッフが常に現場の状況を把握し、効率的なオペレーションを構築することができます。これにより、バースの稼働率向上とトラックの待機時間削減に貢献しています。
Hacobuは、物流ビッグデータの分析・活用基盤となる「物流情報プラットフォーム」の構築を目指しており、クラウド物流管理ソリューション「MOVO」を展開しています。「MOVO Berth」は、トラックの予約受付サービスとして、物流センターや工場における車両の荷待ち時間削減と生産性向上を支援しています。予約システムによって車両の入場時間を分散し、計画的な入出荷作業を実現することで、荷待ち問題の解消に貢献しています。
将来の展望:データ分析による物流業務全体の効率化
本実証実験を通じて、「MOVO Berth」に蓄積された車両の荷待ち時間や荷役時間などのデータを分析することで、より効率的なトラック受付・荷役体制の確立を目指します。例えば、入出庫のピーク時間帯や荷役作業時間などを分析することで、トラックバースの効率的な運用やトラックドライバーの待ち時間削減など、物流業務全体の生産性向上につなげていく予定です。
日本郵便、セーフィー、Hacobuのコメント
日本郵便株式会社 郵便・物流事業統括部 課長 伊藤 祐弥様は、「日本郵便では、2024年問題や法改正に対応するため、長時間運送の抑制や働き方改革に取り組んできました。この度、さらなる物流効率の向上を目指し、セーフィー社およびHacobu社にご協力をいただき、バース運営業務の自動化に向けた実証実験を開始することとしました。この取り組みが、ドライバーや郵便局内作業の省力化に大きく貢献することを期待しています。」とコメントしています。
日本郵便株式会社 新東京郵便局 プロジェクトチームは、「新東京郵便局では24時間絶え間なくトラックが郵便局構内に入退場しており、加えて到着バースの混雑に伴うトラックの荷待ち時間の発生が課題となっていました。今回の実証実験により、トラックの入退場や荷待ち時間が自動的に記録されることで、郵便局構内の管理だけでなく、来局されるトラックドライバーの皆さまの省力化につながることができればと考えています。」とコメントしています。
まとめ
セーフィー、Hacobu、日本郵便による実証実験は、物流業界における課題解決とデジタル化の取り組みの大きな一歩となることが期待されます。AIやクラウド技術を活用することで、トラック受付業務の自動化、ドライバーの待機時間削減、物流現場の効率化が実現し、持続可能な物流の実現に貢献していくことが期待されます。