福島県いわき市、請求書のデジタル化への道
福島県いわき市は、業務効率化と市民サービスの向上を目指し、令和5年1月より「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入しました。この取り組みは、紙ベースで処理される年間10万件以上の請求書をデジタル化することによって、さまざまな課題を解決し、業務の効率を大幅に向上させる狙いがあります。
導入背景
いわき市では、行政のデジタル化戦略を推進する中、特に会計業務の効率化に力を入れています。従来の紙の請求書処理は、記載漏れや転記ミスによって差戻しが発生し、これが支払い遅れを招く要因ともなっていました。また、書類を保管するために年間約100万円がかかり、文書の閲覧や検索にかかる時間も大きな負担となっていました。
こうした業務の煩雑さを改善するために、いわき市は事前の実証実験を行い、請求処理にかかる作業時間を1件18分から10分に短縮することに成功しました。この実績をもとに、デジタル化により年間1万3,000時間の業務効率化が期待できると試算されています。
導入の決め手
「BtoBプラットフォーム 請求書」の導入には、同プラットフォームが国内で高いシェアを誇り、多くの実績を持つことが大きな要因となりました。市内の取引事業者からも、約半数が電子請求書を導入したいとの前向きな意見が寄せられ、導入が決定されました。また、既存の財務会計システムとの連携も、業務効率化に寄与するポイントとされました。
デジタル化の効果
「BtoBプラットフォーム 請求書」を通じて、市内の150社の事業者がこのシステムを利用し始めました。その結果、請求書の紛失や処理漏れが減り、転記ミスのリスクも低下しました。電子データでの保存により、文書を迅速に検索でき、保管コストの削減も実現しました。
また、電子的な履歴が残ることで、従来の紙や電話で行われたコミュニケーションによる誤解も解消され、事業者とのやり取りが円滑に進むようになりました。請求書の提出に伴う郵送費用や来庁時の負担も軽減されるため、効率が図られています。
今後の展望
いわき市は、2025年11月以降、小中学校での消耗品請求においてもデジタル化を進める計画です。年間1万6,000件の取引を電子化することで、学校事務の業務負荷を軽減し、ますますの業務効率化を目指します。今後は、事業者の電子請求書利用率向上を促進し、さらなるDXの推進に努める意向です。
以上のように、いわき市のデジタル化施策は、業務効率化と市民サービス向上の両面において高い成果を上げることが期待されています。今後の進展にも期待が寄せられます。