液晶材料が新技術
2025-07-14 18:08:16

液晶材料による円偏光の高速切替技術が液晶ディスプレイを革新!

液晶による円偏光の高速切替技術



近畿大学理工学部と立命館大学生命科学部の教授陣が、液晶材料を用いた革新的な円偏光の発生とその回転方向の高速切替に成功しました。この技術は液晶ディスプレイの高機能化を促進し、次世代のセキュリティ認証技術や高機能有機ELデバイスの製造コスト削減に貢献する可能性があります。

研究の背景


円偏光とは、特定の方向でらせん状に回転する光のことで、現在の液晶ディスプレイでは、右回転または左回転のどちらか一方しか取り出せないという課題がありました。一般的には、キラルな発光体を利用する必要があり、周囲の環境条件を変えることでしか円偏光の制御ができないため、実用化には限界がありました。

研究の成果


本研究では、アキラルな発光体を使用し、異なる性質の2種類の液晶材料に添加することで、特定の回転方向を持つ円偏光の発生を成功させました。さらに、電場を加えることで液晶の配向を制御し、円偏光の回転方向を高速かつ可逆的に切り替える技術を確立しました。これにより、デバイスの高機能化が促進され、様々な応用が期待されます。

将来的な展望


この技術は液晶ディスプレイだけではなく、発光ダイオードなどの高機能化にも貢献できるポテンシャルを秘めています。さらに異なる発光材料を用いることで、異なる色の円偏光を制御することが可能になると考えられ、今後の研究が非常に楽しみです。

論文掲載


この研究成果は令和7年(2025年)7月9日に国際的な学術誌「ChemPhotoChem」に掲載されました。研究は科学研究費補助金と国立研究開発法人科学技術振興機構による支援を受ける形で行われました。著者には、寺久保和希、中嶋晴香、鈴木太哉、金子光佑、花崎知則、そして今井喜胤が名を連ねています。

この革新的な研究は、デバイスにおける円偏光の取り扱いを劇的に変えるものとして注目されており、今後の発展が非常に楽しみです。


画像1

会社情報

会社名
学校法人近畿大学
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。