次世代マーケティングリサーチャー育成を目指す産学連携プロジェクト
世界的に展開している世論調査会社のイプソス株式会社は、同志社大学商学部の髙橋広行教授との産学連携プロジェクトを通じて、次世代のマーケティングリサーチャーを育成しています。この取り組みは、学生に実務的な学びを提供すると共に、企業が教育機関と連携して社会貢献に寄与することを目指しています。
プロジェクトの背景と目的
イプソスにとって、産学連携は社会的責任の一環として重要な活動です。髙橋広行教授との協力のもと、プロジェクトは開始され、学生には業界の実態を理解し、キャリア形成に対する意識を高める機会を提供しています。.
プロジェクトの概要
2024年の2月から始まるこのプロジェクトでは、学生がマーケティングリサーチの職業を深く理解するためのステップが設けられています。2段階に分かれたプログラムが用意されており、まずは講演及びワークショップを通じて、リサーチャーの業務の魅力や必要なスキルを学びます。
- - ステップ1: マーケティングリサーチの基礎知識を講演形式で学び、さらに実際にワークショップを行い、調査手法の実践を通じて知識を深めます。
- - ステップ2: 学生自身が調査課題を設定し、実際のデータの集計・分析を通じて理解を深める4回の長期ワークショップが行われます。この実践的な体験を通じて、理論と実務を融合させ、必要なスキルを身につけることが期待されています。
Z世代のSNS利用調査
このプロジェクトの一環として、特にZ世代のSNS利用に関する調査も実施され、興味深い結果が得られました。調査では、各SNSの利用目的の違いが浮き彫りになりました。
TikTokは娯楽やエンターテイメントを楽しむ場として、Instagramはコミュニケーションの手段、Xは情報収集のツールとして活用されていることが分かります。
各SNSにおけるPR投稿に関する考察
- - 特にTikTokではファッション関連、Xでは食品関連のPR投稿が高い購買行動喚起力を示す結果が得られました。
- - 一方で、Instagramは他のSNSに比べて直接的な購買行動につながる項目があまり見られませんでした。また、XではPR投稿に対して最も高度な接触機会があるものの、拒否感も高く、TikTokやInstagramに比べてネガティブな反応の割合が高いことも報告されています。
調査の目的と実施方法
この調査はZ世代がSNSをどのように利用しているかを把握し、企業が効果的なプロモーション戦略を立てる手助けをするために実施されました。調査手法には、イプソスのデジタルプラットフォーム「FastFacts」を利用したオンライン形式が用いられ、対象は18歳から25歳の男女で、TikTok、Instagram、Xのいずれかを週に一度以上使用する層にしました。
分析結果は、TikTok、Instagram、Xそれぞれのプラットフォームで確保されたサンプル数に基づき、2024年9月26日から27日の間に集計されました。
将来への展望
今後、この産学連携プロジェクトはさらに発展させていく方針で、学生のキャリアサポートを強化し、業界の未来を担う人材の育成を図ります。また、イプソスと同志社大学の協力関係を続け、新たに他の教育機関や企業との連携も視野に入れています。これにより、マーケティングリサーチ業界の活性化を進め、社会全体への貢献をすることを目指しています。
同志社大学について
同志社大学は、1875年に設立された歴史ある大学で、14学部・16研究科を有しています。創立者・新島襄の理念に基づき、教育に取り組む姿勢を150年以上引き継いできています。社会に貢献する人物を多方面で送り出しており、今後も教育の質向上に努めていきます。
同志社大学公式サイト
イプソス株式会社の概要
イプソスは、1975年に設立され、世界的に展開する世論調査会社です。日本においても多くの事業を展開し、教育機関との連携を進めています。今後も多様な分野での調査を通じて社会貢献を続けていくことを目指している企業です。
イプソス公式サイト
このプロジェクトは、今後のマーケティングリサーチ業界にとって、非常に意義深い取り組みといえます。