画期的な男性腹圧性尿失禁治療の医療機器が製造販売承認取得へ
画期的な男性腹圧性尿失禁治療の医療機器が製造販売承認取得へ
サイトリ・セラピューティクス株式会社が開発した、「セルーションセルセラピーキット」が、男性腹圧性尿失禁に関連する治療で、製造販売の承認を取得する見通しとなりました。この承認は、12月16日に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会において、医療機械・体外診断薬部会での審議を経て向けられました。
この治療法は、世界初となる脂肪組織由来の再生細胞を用いた方法で、その効果と安全性が期待されています。サイトリ社の取り組みを詳しく見ていきましょう。
製造販売承認までの道のり
サイトリ社は、日本の複数の大学病院と連携して、2015年から男性腹圧性尿失禁に対する共同治験を実施しました。この治験では、 ADRC(脂肪組織由来再生細胞)が対象となり、効果的な治療を目指しました。2019年11月にはこの試験が終了し、安全性が確認された上で有効性の基準も達成しました。2020年12月には、厚生労働省に製造販売承認の申請が行われ、その承認が了承されたことは、医療界において大きな意義があります。
サイトリ社の再生医療技術
サイトリ社は、セルーションセルセラピーキットと、専用の遠心分離器を使用し、患者の皮下脂肪からADRCを迅速に採取できるシステムを開発しています。この治療法は、患者自身の細胞を使用するため、感染症や拒絶反応のリスクが少なく、安全性が高いことで知られています。また、体外培養のステップを必要としないため、短時間での治療が可能です。ADRCは、血管新生作用や抗炎症作用、組織修復作用を持つため、様々な疾患に対して期待される治療効果があります。
腹圧性尿失禁の理解
腹圧性尿失禁は、尿道が圧迫された際に尿が漏れてしまう状態です。特に女性においては妊娠や出産、高齢による筋肉の緩み、手術によってこの症状が現れることが多いです。日本では約400万人がこの症状に悩んでいると推定されています。一方、男性の場合は、前立腺肥大や癌治療後の筋肉のダメージが原因となる場合が多く、数万人の患者が存在するとされています。
尿失禁は、生命に直接関わるものではありませんが、日常生活に影響を与え、生活の質(QOL)を損なう可能性があります。特に男性においては、治療法の選択肢が少なく、新たな治療法の開発が強く求められています。
結論
この度のサイトリ社の新しい治療法は、腹圧性尿失禁に苦しむ多くの患者にとって、朗報となることでしょう。再生医療の可能性を広げるこの技術が、確実に実用化され、普及することが期待されています。
会社情報
- 会社名
-
FRACTALE株式会社
- 住所
- 東京都千代田区霞が関3-5-1近鉄霞が関ビル4階
- 電話番号
-
03-5501-4100