ステムセル研究所の挑戦
近年、日本の少子化は加速しており、2024年の年間出生数は統計開始以来の最低値68万人を記録すると予想されています。しかし、その中で注目すべきは、株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯」と「さい帯血」の保管サービスです。このサービスの累計保管件数が2025年3月期に10万件を突破したという成果を挙げています。
さい帯・さい帯血保管の重要性
少子化が進む現在、出産する機会は限られています。その中で、「いのちを守る備え」として、さい帯とさい帯血の保管が多くのご家庭に選ばれる理由は何でしょうか。近年、さい帯血を使ったさまざまな臨床研究が進行中であり、特に脳性まひや自閉症スペクトラム障害(ASD)に対する研究が行われています。これにより、出産時に保管された細胞が将来的に子どもの健康に寄与する可能性が高まっています。
また、2023年6月には「ファミリー上清®製造サービス」が開始されました。このサービスでは、保管されたさい帯から幹細胞培養上清液を製造し、医療機関を通じて活用することができます。これにより、エイジングケアや再生医療の分野でも大きな注目を集めています。
累計10万件突破の背景
ステムセル研究所は1999年からさい帯血の保管を始め、2021年にはさい帯保管サービスも始めました。ここまでの累計を振り返ると、特に慎重な品質管理と安心できる保管体制が多くの家庭に支持されている要因です。現在、全国で2,000を超える産科施設と提携し、さい帯やさい帯血を48時間以内に搬送する体制を整えています。さらに、厚生労働省からの許可を受けた自社施設で、搬入された細胞を丁寧に処理し、最新鋭の液体窒素設備と24時間体制の監視システムのもとで保管しています。25年間無事故の実績が、ステムセル研究所の信頼性を支えているのです。
今後の展望
ステムセル研究所では、「保管のその後」にも価値を提供できるような活動を続けています。医療機関との連携を強化し、細胞の使用用途についての啓蒙活動を行っています。保管するだけでなく、実際に活かす未来の医療インフラとしての役割を果たすことを目指し、誕生した新たな命に新しい医療の選択肢を提供していく方針です。
これからの時代において、医療分野における選択肢を増やすことは非常に重要なことです。ステムセル研究所の取り組みは、少子化が進む日本においても、未来の医療に貴重な役割を果たすことが期待されています。
会社概要
株式会社ステムセル研究所は1999年に設立され、産婦人科施設とのネットワークを活用し、再生医療や細胞治療を目的としたセルバンク事業を行っています。会社のコーポレートスローガンは、「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」です。品質管理と安全管理においてグローバル水準を誇る同社は、サスティナブルな成長を追求しつつ、社会貢献にも力を入れています。
本社は東京都港区に位置し、株式コード7096で東証グロースに上場しています。