【NHKカルチャー】「なぜ時間は戻らないのか？」カリフォルニア大学バークレー校教授が語る、時間の謎に迫る90分

「なぜ時間は戻らないのか？」カリフォルニア大学バークレー校教授が語る、時間の謎に迫る90分

SF小説や映画で描かれるタイムスリップ。もし過去に戻れたら、あの時こうすればよかった…と考える人もいるかもしれません。しかし、時間は過去から未来へと一方通行で、戻ることはできないという現実。この「時間は戻らない」という当たり前の事実の裏には、一体どんな謎が隠されているのでしょうか？

NHKカルチャーの夏期講習では、カリフォルニア大学バークレー校教授の野村泰紀氏が、この「時間の矢」と呼ばれる、物理学における未解決問題の核心に迫ります。

野村教授は、素粒子物理学や量子重力理論、宇宙論を専門とする第一線の研究者です。多忙なスケジュールの中、貴重な一時帰国に合わせて、この講義が実現しました。

講義では、物理学におけるエネルギーやエントロピーの概念を紐解きながら、私たちが普段意識している「時間」や「過去・未来」とは何か、という根源的な問いについて考察していきます。

「時間の矢」という概念は、1927年に英国の天文学者アーサー・エディントンによって提唱されました。それから100年近く経った今でも、物理学における未解決問題の一つとして、多くの研究者を魅了し続けています。

野村教授の講義を通して、これまで当たり前のように考えていた時間の感覚が変わるかもしれません。物理学に興味がある方だけでなく、この夏に新しい学びを求めている方にもおすすめです。

講義内容

時間の不可逆性とは何か？
「時間の矢」という概念とその歴史
エネルギーとエントロピーの関係
現代物理学における時間の解釈

講師プロフィール

野村泰紀氏

カリフォルニア大学バークレー校教授
バークレー理論物理学センター長
ローレンス・バークレー国立研究所上席研究員
東京大学カブリIPMU連携研究員

専門分野：素粒子物理学、量子重力理論、宇宙論

主な著書

『多元宇宙（マルチバース）論集中講義』（扶桑社）
『なぜ宇宙は存在するのか——はじめての現代宇宙論』（講談社）