福知山から生まれる新たな産業の可能性
福知山市では、地域の産業創出と技術革新をテーマにした「NEXT産業創造プログラム」を展開しており、2021年度からスタートしています。福知山公立大学と連携したこのプログラムは、起業や企業内起業を志す方々に必要な知識やスキルを提供し、地域発の新たな産業を育成することを目的としています。さらに、今年からは修了生向けの特別支援事業「F-StartUp」を新設し、2024年11月から本格的なプログラムが開始される予定です。
2025年1月24日には、SHIBUYA QWSで中村多伽氏(株式会社 taliki 代表取締役 CEO)をゲストに迎え、特別講演と交流会が行われました。このイベントでは、F-StartUp参加企業の発表があり、議論を通じた活発な意見交換が行われました。特に、3社のピッチ(発表)は注目を集め、各企業が掲げる社会課題の解決に向けた熱意が伝わりました。
特別講演と参加企業の発表
中村多伽さんは、社会課題を解決するべく企業を支援するベンチャーキャピタルの立ち上げ経緯と、社会起業家を育成するファンドの必要性について語りました。特に「命を落とす人、死ぬより辛い人の絶対数を減らす仕組みを作る」という理念には、多くの参加者が強く共感を示しました。
次に発表を行ったのは、株式会社大一設備の飲食事業部「D1cafe」。ここでは、米粉メニューやアレルゲン対応の食事を通じて、障がい者や高齢者など様々なニーズに応えるカフェ運営をしています。代表者は「不便を価値に変える」ことを理念とし、地域全体が共生できる社会の実現を目指しています。中村さんからは、D1cafeが業界の先駆けとなるよう期待が寄せられました。
次に登場したのは、株式会社Lifexia。化粧品開発を通じて、企業成長と若者育成を目指す「三方よし」の経営理念が特徴です。中村さんは、この会社が地域の魅力を引き出していると高く評価しました。
最後に発表したのは、株式会社Season。万願寺とうがらしの栽培・販売を手掛けるこの企業は、農業をビジネスとして成り立たせることで若い農業者を育成し、地域活性化を目指しています。加藤さんからは、脱炭素プロジェクトの重要性が語られ、新しい可能性を感じるとのコメントがありました。
参加者の声
参加者の中には、社会課題解決に向けたビジネスの結びつきについて学ぶ良い機会となったと感じた人も多くいました。特に、起業家たちの言葉からは、彼らが抱えるビジョンや課題に対する真剣な取り組みが明確に伝わり、F-StartUpを通じた成功に期待が高まります。
成果報告会の実施
2025年3月1日には、「F-StartUp」の成果報告会が行われる予定です。このイベントでは、起業家人材育成プログラム「NEXT産業創造プログラム」と「F-StartUp」による事業の成果が発表される予定で、オンライン配信も行われます。地域の新しい挑戦に注目が集まる中、福知山から未来の産業が生まれることを期待したいです。