尼崎市にユースセンター「Hygge」がオープン
2024年8月6日、認定NPO法人 Learning for All(LFA)は兵庫県尼崎市に新たなユースセンター「Hygge」を開所しました。このセンターは、子どもや若者たちが自由に集い、安心して過ごせる居場所を目指しています。
開所の背景と目的
LFAは「子どもの貧困に、本質的解決を」というミッションを掲げ、長年にわたり支援活動を行ってきました。日本では、子どもの9人に1人が貧困状態にあり、特にひとり親家庭ではその割合は深刻です。経済的な困窮は、子どもたちの健全な成長に必要な環境を失わせ、それが虐待や不登校、非行、自殺などの問題を引き起こしています。これらの深刻な問題に対処するため、LFAは事後的な支援だけでなく、予防的な取り組みの重要性を感じてきました。
「Hygge」は、地域の子どもたちが安心して過ごせる居場所として、特に予防に重点を置いている新しい拠点です。
ユースセンター「Hygge」の意味
「Hygge」はデンマーク語に由来し、居心地の良い空間や楽しい時間を意味します。この名称は中高生たちとのワークショップで決定されたもので、物質的な充足だけでなく、人とのつながりや自己表現を大切にしたいという思いが込められています。
ユースセンターの運営スタイル
このユースセンターでは、子どもたちの意見を尊重しながら、彼らが主体的に参加できるプログラムを展開します。具体的には、以下のような活動が行われます:
- - フリースペースの提供:子どもたちが自由に過ごすことができる安心・安全な空間を確保し、何をしても良い居場所を提供します。
- - カフェ・パントリーの運営:飲食を楽しめるカフェを設置し、必要な物を無料で受け取れるパントリーも整備します。特に中高生世代が安心して利用できる場を目指しています。
- - イベントの開催:共通の趣味や興味を持つ子どもたちが交流できるイベントを企画し、楽しい空間を提供します。
- - 個別支援の実施:支援が必要な子どもには、個別の支援計画を策定し、他の機関とも連携しながら必要な支援を行います。
市との連携と今後の展望
ユースセンターの開設に伴い、尼崎市とLFAは連携協定を締結しました。この協定は2024年8月6日から2025年3月31日までの期間で、今後も一年ごとに更新していく予定です。
LFAはこのユースセンターを通じて得た知見を基に、政策提言も行う考えです。また、全国でこの支援モデルが広がり、困難を抱える子どもたちが早期に支援にアクセスできるよう努力していきます。
Learning for Allについて
認定NPO法人 Learning for All は、子どもの貧困問題を解決するために学習支援や居場所づくりに取り組んでおり、これまでに11,800人を超える子どもたちに支援を行ってきました。地域のさまざまなステークホルダーと協力しながら、子どもたちの育まれる環境を整備し、彼らが自分の可能性を信じて人生を切り開いていける社会を目指しています。
まとめ
ユースセンター「Hygge」は、尼崎市の子どもたちに新たな居場所を提供し、彼らの可能性を広げる一翼を担います。子どもたちが「ええやん自分」と思える瞬間を感じられるような、居心地の良い空間を実現するこの取り組みに、地域の支援が期待されています。