3月7日、日本時間未明に、株式会社ダイモンとパンチ工業が手掛けた月面探査車「YAOKI」が月面に到達しました。この成果は、日本の民間企業が単独で開発した月面探査車としては初の快挙となります。YAOKIは、月着陸船の一部として対応を行い、その後、月面での初撮影に成功しました。
YAOKIのプロジェクト、「Project YAOKI 1(PY-1)」は、株式会社ダイモンが推進する月面探査計画の一環です。YAOKIは、日本を代表する技術を駆使し、品質保証を確保した上での打ち上げが行われました。特に、パンチ工業の3D測定技術が、YAOKIのボディとその輸送ケースとの最適な隙間設計に寄与しました。
YAOKIは、アメリカのインテュイティブ・マシーンズ社が開発した無人月着陸船「Nova-C」に搭載され、月面への軟着陸を成功させました。これは、2024年に続く2回目の成功であり、確認されたクレーター内への着陸が行われました。これにより、YAOKIは、地球からの遠隔操作で月面を探索し、撮影したデータを地球に送信するミッションを果たしました。
探査車は、着陸船が横向きに着陸したため、距離に応じた短時間でのミッション実施が求められました。その結果、YAOKIは計画を約5日繰り上げて実行し、温度低下や電力供給の制限がある中でも、成功裏に月面でのデータ撮影を行いました。残念ながら、デプロイヤーからの電力供給がストップし、YAOKIは自力での移動はできなかったものの、月面での全機能が正常に動作したことが確認されています。
これまでのミッションの成果として、YAOKIは撮影した画像データをクリアに受信し、リアルタイムでの確認も行うことができました。これにより、すべての機能が予定通り稼働したという結果が出ており、MI-2全ミッションが終了しました。
パンチ工業は、これまでの航空宇宙産業への取り組みが長い歴史を持ち、技術進展を遂げてきました。特に3Dスキャナを用いた計測技術は、本プロジェクトにおいて重要な役割を果たしています。この技術によって、YAOKIが安全に月面探査を行えるような基盤を築き上げてきたのです。
ダイモンは、将来的にはYAOKIを含め、最大で100機の月面探査を予定しており、さらなる宇宙探査計画へも意欲を示しています。一方で、パンチ工業としても、宇宙開発への貢献を通じて社会の発展に寄与する企業を目指しています。
2025年に向けて、YAOKIによるさらなる成果や、宇宙産業の発展に期待が寄せられます。月面探査に関する最新の技術革新には、今後も注目が必要です。