名古屋大学発AIベンチャー、トライエッティングの資金調達
名古屋大学から生まれたAIベンチャー企業である株式会社トライエッティングは、愛知県名古屋市を拠点に活動しています。この度、名古屋銀行と日本政策金融公庫(以下、日本公庫)との協調融資によって、約12.3億円の資金調達を実施したことが発表されました。
資金調達の背景
トライエッティングは、名古屋銀行の「愛知県信用保証協会のサポート資金(経済対策特別)」と、日本公庫名古屋支店の「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」など、複数の融資制度を活用して資金を調達しました。この協調融資は、公共機関と民間金融機関の連携による非常に貴重な事例として評価されています。
スタートアップ支援資金の利点
特に、日本公庫が適用した「スタートアップ支援資金」は、日本経済の成長を促進し、社会的な課題を解決するスタートアップ企業を支援することを目的としています。この制度は、一定の条件を満たす企業に対して提供されており、トライエッティングは2021年に「J-Startup CENTRAL」に選ばれたことで、利用資格を得ていました。これにより、企業の成長を期待される中での資金調達が実現したのです。
資金調達の目的
今回調達した資金は、主にAIツール「UMWELT(ウムベルト)」と「HRBEST(ハーベスト)」の事業拡大やサービス提供体制の強化に使われる予定です。「UMWELT」はプログラミング不要で簡単に分析や自動化ができるノーコードDXツールで、特に生産計画や人員配置の最適化に役立つ機能がついています。業種を問わず、製造業や飲食業など多くの分野で利用されており、その効果が期待されています。
一方、「HRBEST」は複雑なシフトの作成をAIが自動で行うサービスです。これにより、スタッフのシフト調整が容易になると同時に、業務効率も大幅に向上します。
代表取締役社長のコメント
トライエッティングの代表取締役社長であり、CEOの長江祐樹氏は、「人手不足や生産性向上といった社会的な課題に対し、AIを使った現場の支援を行っていくことで、お客様の期待に応えたいと考えています。名古屋地域のスタートアップとしての責任を持ち、さらなる成長に貢献していきたいと思っています」とコメントしました。
トライエッティングの未来
今後、トライエッティングは得た資金をもとにさらに事業を拡大し、社会の課題解決に寄与することを目指しています。同社が提供するノーコードAIツールは、様々な業界での業務効率化を実現し、多くの企業のニーズに応えることが期待されています。今後の動向に注目が集まる中、トライエッティングの進展がどのように社会に影響を与えるか、その行方が注目されます。