新技術「DIRECTOR6」がもたらす生産スケジューラの革新
近年、製造業界は多様化するニーズに対応するため、個別受注や多品種少量生産のニーズが高まっています。これに応えるシステムの一つに、株式会社シムトップスが開発した生産スケジューラ「DIRECTOR6」があります。このツールは、特にヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(以下HMT)によって導入され、受託解析業務の工程管理の大きな変革をもたらしました。
導入の背景と課題
HMTは2003年に設立された研究開発型のベンチャー企業です。大学や研究機関、製薬・食品企業とのコラボレーションを通じて、提供された試料の成分を詳細に分析する受託解析サービスを展開しています。しかし、2013年の株式上場を経て業務の効率を見直すことが急務となり、次のような課題に直面しました:
- - 紙帳票による属人的な記録作業:作業者が記録を取るプロセスがバラつき、業務効率が低下。
- - 二重作業の発生:記録した情報を既存のシステムに入力する必要があり、記録自体が敬遠されがちに。
- - 作業時間の可視化不足:個人差が可視化されず、改善指示を行う難しさがありました。
加えて、3つの部門に分かれた受託業務では、繁忙期に約100件の依頼を受け、各案件は80を超える工程を経ることが求められ、顧客の要望に応じて工程を変更する必要も生じました。
選定の経緯
業務特性を考慮し、適切なシステムを探していたHMTは、次第に候補製品の探索に難航していました。しかし、「個別受注」「多品種」「少量生産」というキーワードを用いて再検索した結果、DIRECTOR6と出会いました。特に「複数人による並行作業の実績算出」ができる点が決め手となり、3製品の中から選定されました。
HMTは自身の業務と工程を理解した上で行われたデモンストレーションを基に、最終的な選択に至りました。導入時には社内に専門知識を持った人材が不足していたため、シムトップスのエンジニアが約8ヶ月かけて現場でのトレーニングと調整を行い、スムーズな稼働を実現しました。
導入の効果
DIRECTOR6の導入後、HMTでは次のような効果を享受しています:
- - 業務データの集積化:全業務で作業実績データが収集され、業務改善の具体的な検討が可能に。
- - 生産性の可視化:各部門の生産性を一元的に把握し、標準原価の算出を実現。
- - ボトルネック解析:工程ごとのコスト要因を特定でき、結果的にコスト効率化策を丁寧に設計・実行できます。
今後の展開
今後、HMTはDIRECTOR6の自動スケジュール調整機能をさらに活用する方針です。また、現場の入力業務の効率化のため、シムトップスが提供する現場帳票電子化ツール「i-Reporter」の導入も予定しており、移行のスムーズさが期待されています。これにより、さらに高い業務効率化が見込まれます。
株式会社シムトップスは、この成功事例を活かし、今後も個別受注・多品種少量生産の領域だけでなく、同様の構造を持つ業務領域へ対してDX推進を支援することに注力していく予定です。生産スケジューラの進化に、業界全体の未来が期待されます。