枠の中から枠を創るへの挑戦
広告業界は今、劇的な変革期を迎えています。私たちの目にする広告は、ほとんどがオンラインからのもので、その多くは瞬時に忘れ去られてしまうもの。そんな広告の限界を感じ、私はある大胆なアイデアを抱くことになります。それは、見られるだけの広告から、記憶に残る広告体験を提供すること。つまり、オフラインの価値を見直し、新たな広告の枠を自ら創ることです。その先駆けとなるのが、私が代表を務める株式会社スキマメディアが開発したサービス、'スキマッチ'です。
オフライン広告の必要性
広告の視聴率がどうであれ、消費者の心に響かなければ意味がありません。SNSや検索エンジンからの広告は、情報過多の中で重要なメッセージを埋もれさせていると感じます。私の考える本当の価値は、視認性やインプレッション数ではなく、人々の記憶にどれだけ残るかだと思っています。スキマメディアは、「見せる広告」から「魅せる広告」へと脱皮するための革新を追求しています。
現場での発見
過去にリクルートで広告営業を行っていた経験から、多くの企業が抱える問題を目の当たりにしました。「広告を出しているのに、目標とする顧客に届かない」との声が多く寄せられました。この現実を知った私は、従来の枠内で改善する足掻きから脱却し、その枠自体を創り出す必要があると強く感じました。それが、私の中での広告ビジョンの出発点となりました。
オンライン広告の飽和状態
オンライン広告市場が拡大する中、消費者からは「興味のない広告が溢れすぎている」という声が多く聞こえてきます。この飽和状態により、真に関心のある層に届いていないという現実を知り、私はオンラインだけで完結する広告の限界を確信しました。広告はオンラインだけのものではないと感じた瞬間でした。
場所の力を再発見
リクルートに入る前には、販促イベントの運営を行っていた経験も影響しています。現場で人々が「その場の空気」に影響されて動く瞬間をいくつも見てきました。例えば、ショッピングモールや駅前での催事で、通りすがりの人が商品に引き寄せられ、会話を交わす。これがオフライン広告の強みです。体験や滞在、記憶に残る広告の必要性を強く確信しました。
旧来のオフライン広告の問題
街頭ビジョンや駅のポスターなど、従来型オフライン広告にはまだまだ改善の余地があります。具体的なターゲット層に届かず、表面的な内容で高額な掲出費を支払っているのでは、本来の広告の役割を果たせません。一人一人の購買行動に結びつかない広告を見てきた私は、リアルな場の力を最大限に活かす新たな広告モデルを検討することを決意しました。
スキマッチの誕生
この課題を解決すべく誕生したのが、スキマメディアの主力サービス『スキマッチ』です。スキマッチでは、店舗や施設の“スキマ空間”を広告メディアとして活用し、同じ顧客層を持つ店舗同士をマッチングします。リアルな spaces において、来店者データを基にターゲティングを行い、興味を持つ層により効果的にリーチします。リクルート時代の仲間たちの力も借り、実際にみんなが求めていた「魅せる広告」を実現しています。
名古屋発の挑戦
スキマメディアは愛知県名古屋市で創業されました。この地域は、広告の新たな優位性を試せる環境が整っている場所です。まずは東海地方からスタートし、全国的な広がりを見せることを目指しています。名古屋から生まれる広告テクノロジーで「リアルな空間の価値を取り戻す」ムーブメントを推進していきます。
結論
私たちの使命は、広告を“見せられる情報”から“記憶に残る体験”へと転換することです。過去の経験、消費者のニーズを深く理解し、スキマメディアは「届けたい人に、自然に届く広告」を生み出すことを目指します。この挑戦は、私たちの夢であり、広告の未来を作るための第一歩です。