新しい時代のサポートシステム「ゆりかご」誕生
病気や障がいを抱える人々が安心して相談できる新たなプラットフォーム「ゆりかご」が登場しました。このシステムは、病気や障がいに携わる人々とその家族がつながり、お互いに支え合う環境を提供することを目指しています。特にピアサポートとして、同じような経験を持つ人同士が交流することができる点が特徴です。
家族と医療者が協力したシステム
「ゆりかご」は患者の家族や医療者が共に作り上げているシステムです。中絶の決定に際して、病気や患者についての現実を理解してもらいたいと願う思いは、医療者だけでなく家族にも共通しています。確かに医療は専門的な知識を持っていますが、病児を育てる上でのリアルな経験は、家族から得られる情報が最も有益です。中絶についての悩みを抱える人も多いため、その理解者として家族は重要な存在です。
システムでは、以下の3点が約束されています。
1. 中絶や出生を強要しない。
2. 家族の自己決定権を尊重する。
3. 相談者の決定がピアサポーターに知られない。
これにより、同じ信念を持つ人々だけがピアサポーターとして登録され、支援に当たることができます。
いつでも簡単にアクセス
出生前に赤ちゃんに病気が見つかることは珍しくありません。この際、母体保護法には人工妊娠中絶が認められていないものの、実際には産むか産まないかという選択を迫られています。出生前診断によって受けられる情報は限られているため、短期間で適切なサポートを受けられる相手を見つけることが求められています。「ゆりかご」は、そうした状況において、より多くの家族と出会う機会を提供します。
匿名性を重視
相談にあたって名前や詳細をさらけ出すことに抵抗を感じる人は少なくありません。「ゆりかご」では匿名での登録が可能であり、心理的なハードルを下げる工夫がなされています。これにより、多くの人が気軽に相談できる環境が整います。
多様な意見を集結
病気や障がいに関する対応は一様ではなく、それぞれ異なるケースがあります。したがって、様々な経験を持つ家族の意見を集めることが重要です。単一の声だけではなく、多数の意見を聞くことで、妊婦が抱える不安を軽減し、各家庭に合った最適なサポートを提供できるようになります。
障がいの実態を把握し社会に還元
「ゆりかご」は単なるマッチングに留まらず、病気や障がいを持つ家庭の実情を調査する機能も備えています。これにより、どのようなニーズがあるのかを把握し、そのデータを学会や行政にフィードバックし、より住みやすい社会作りに寄与することを目指しています。
社会への呼びかけ
元気な子供を望むのは自然な感情ですが、生まれつきの病気を持つ割合は決して少なくありません。そのため、誰もが病気や障がいと向き合わなければならない可能性があるのです。「ゆりかご」は、そうした大切な時期に安心して相談できる環境を提供し、一人でも多くの人々にこの仕組みを知ってもらいたいと考えています。
NPO法人親子の未来を支える会の取り組み
機関が結成した背景には、「病名が障がいにならない社会」を目指す強い願いがあります。社会全体が病気や障がいについて理解し、適切なサポートが行き渡るよう努力する中で、オンラインでのピアサポート以外にも、胎児医療の普及や、病気に関する財政相談など、幅広くサポートを展開しています。
詳しい情報は、
団体のウェブサイトや
「ゆりかご」のサイトをご覧ください。