ポーラ化成工業の熱中症リスク判定AIカメラ『カオカラ』が東京都市大学等々力中学校・高等学校に導入!
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社が開発した熱中症リスク判定AIカメラ『カオカラ』が、東京都市大学等々力中学校・高等学校に導入されました。
5月からの導入にあたり、6月17日には同校にて調印式が行われました。
ポーラ・オルビスグループは、人々の健康と社会全体の幸福(well-being)に貢献することを目指しています。
ポーラ化成工業では、顔は心身の状態を映す鏡であるという考えから、『カオカラ』を開発しました。
『カオカラ』は、カメラに顔を近づけることで、表情や顔の要素から熱中症のリスクを判定できるタブレット型の機器です。
2023年夏には、建設現場での社会実証試験を実施し、現場での運用上の課題やニーズを元に改良を進めてきました。
2024年4月からは、株式会社DUMSCOと連携し、本格的に受注を開始しました。
教育現場での活用に期待
『カオカラ』は、これまで主に建設業や製造業で導入されてきましたが、今回、教育現場への初めての導入事例となります。
等々力中学校・高等学校では、『カオカラ』を活用することで、生徒の安全確保と熱中症対策を強化するとともに、データ収集を通して、子ども向けのAI改良や使用性の向上を目指しています。
同校の草間雅行校長は、「近年の気候変化は世界中で深刻化しており、命に関わるほどの暑さをもたらしています。学校では、体育や部活動など、屋内外問わず多くの活動が行われていますが、従来は気温や湿度などのデータと生徒の自己申告に頼らざるを得ませんでした。しかし、『カオカラ』があれば、客観的な視点から生徒の体調を把握でき、より安全に活動できる環境が期待できます」とコメントしています。
子どもの健康を守るための取り組み
医療法人社団五良会理事長で、竹内内科小児科医院院長の五藤良将医師は、「子どもは大人に比べて暑さに弱く、体温調節機能が未発達のため、熱中症のリスクが高いです。特に乳幼児や幼児は、自分で予防することが難しく、体調の変化を自ら訴えることもできません。そのため、大人の注意と早期の対応が不可欠です」と指摘しています。
五藤医師は、子どもの健康を守るための対策として、こまめな水分補給、涼しい環境の確保、軽くて通気性の良い服装、定期的な観察などを挙げています。
五藤医師は、「『カオカラ』は、子どもの顔色や体調の変化を迅速に把握できる可能性があり、子どもの健康と安全を守るために役立つことが期待されます。子どもは自分で体調管理が難しいので、大人が積極的にサポートし、定期的な健康チェックや予防策を徹底することが重要です」と述べています。
『カオカラ』の特長
『カオカラ』は、以下の3つの特長を持っています。
1.
精度: 専用に学習したAIにより、顔画像から体調不良状態を解析し、外気温や湿度などの外的リスク情報と統合して熱中症リスクを推定します。
2.
使用性: 専用タブレットを設置し起動すれば使用可能で、簡便な管理運用が期待できます。カメラに顔を近づけ、判定ボタンを押すと約3秒で結果が表示されます。リスクは4段階の色で示されるため、直感的で分かりやすいです。
3.
現場での一元管理: リスク結果は一元集約され、現場管理者はパソコンなどで結果履歴を確認できます。リスクが高いと推定された方に優先して声掛けができるなど、効果的な対策に役立ちます。
今後の展開
ポーラ化成工業は、等々力中学校・高等学校を皮切りに、今後も自治体や教育機関と連携し、熱中症対策に取り組んでいくとしています。