花火大会の有料席、価格差拡大とその背景に迫る

花火大会の有料席、価格差拡大とその背景

今年の花火大会において、有料観覧席の価格が変化し、その傾向が注目を集めています。全国主要の花火大会のうち、およそ83大会で有料席が導入され、なんと42大会がその価格を引き上げたことが判明しました。これにより、観覧エリアにおける価格の「二極化」が進んでいます。

有料席導入の背景

2025年には新たに5つの大会で有料席が設けられ、前年からの増加が見られました。対照的に開催が中止となった大会による減少もあったため、その動きは顕著です。有料席を導入した花火大会では、実に半数以上が値上げしており、この流れは今後も続くのか注目されます。

一般席の平均価格は5227円であり、前年対比で1.8％の増加がありました。一方、プレミアム席では平均価格が3万6193円に達し、前年と比べて7.2％の上昇を記録しました。特に高額な席での値上げが目立っていることから、花火大会の観覧体験はますます多様化しています。

価格の二極化とその影響

プレミアム席の定義は、多種類の観覧スタイルを提供するもので、最前列や広い区画を確保したテーブルやグランピングスタイルの席が含まれます。このプレミアム体験がもたらす高価格は、観客に新たな価値を提供している一方で、一般席との大きな価格差が問題視されています。実際、2025年の花火大会では、一般席とプレミアム席の価格差が6.92倍にまで拡大しています。

観客が求める体験価値に見合った妥当な価格設定をどうにか模索している状況が浮き彫りになっています。花火大会の運営には人件費や花火の準備経費なども関わるため、コスト高が価格設定にも影響を与えています。

見えてきた二極化の課題

高額なプレミアム席の販売傾向が見える中、年々増加する有料席に対する観客の受け入れ度合いには明らかな差があります。安価な一般席にも高額感が漂い、売れ残るケースすら見受けられるなど、販売戦略に影響を及ぼしています。また、有料化が進む中で、地元住民からは「持ち席がない」といった不満の声も高まっています。

このような状況の中、花火大会の運営体制や価格設定への見直しが求められることは間違いありません。観客の希望や地域との関係性を反映した、より合理的な価格戦略を採用することで、次世代の花火大会の在り方が模索されることでしょう。