三井住友カード株式会社は、株式会社ELYZAと連携し、コンタクトセンターにおける生成AIの本番利用を開始しました。ELYZAが提供する検索拡張生成(RAG)技術を活用することで、オペレーターの応対スピードを向上させ、問い合わせチャネルを強化します。
背景には、キャッシュレス決済の普及拡大に伴い、三井住友カードへの問い合わせ件数が大幅に増加していることがあります。月間50万件を超える問い合わせに対応するため、対応品質と対応可能件数の向上が急務となっていました。
導入された生成AIは、顧客からの問い合わせに対して、社内データを検索し、回答の草案を自動で生成します。2024年6月末からメール回答業務で利用を開始しており、年内にはチャットでの問い合わせにも展開予定です。最終的には、オペレーターの生産性向上効果として、問い合わせ対応にかかる時間が最大で60%程度短縮される見込みです。
この取り組みは、セキュリティ基準の高い金融機関がリスクを抑えながら生成AIの本番導入を実現した点、RAG技術を利用した本番導入事例がまだ少ない点、コールセンターでの生成AI活用の最新事例である点、開発開始から導入実装までを約3ヶ月の短期間で行った点など、社会的にみても特徴的な事例となっています。
三井住友カードは、今後も生成AIを活用することで、顧客満足度向上を目指していくとしています。