小学生の英語学習におけるAI英会話の現状と課題
株式会社学研ホールディングスのグループ会社、株式会社Glatsが提供するオンライン英会話サービス「Kimini英会話」では、小学生およびその保護者を対象にAI英会話に関する調査を実施しました。この調査結果から、AI英会話の利用実態や利用に対する思いを探ります。
調査概要
調査は2025年4月24日から5月1日までの期間に実施され、小学生会員403名とその保護者を対象にオンラインアンケートが行われました。調査内容は、AI英会話の利用経験やその評価、今後の希望に関するものでした。
AI英会話の利用状況
「AI英会話を使ったことはありますか?」という質問に対して、肯定的な回答はなんと21%に留まりました。残りの79%は未経験であり、その多くが「表情やニュアンスが伝わらないのが不安」「実際の会話の柔軟性が欠ける」といった理由を挙げています。特に、小学生らが大切にしているのは実際の人とのコミュニケーションであることが見受けられます。
AI英会話の評価ポイントと課題
実際にAI英会話を利用した声も調査に含まれています。ポジティブな意見としては、「いつでも利用できる」「恥ずかしくなくて安心」「自分のペースで学べる」といった特徴が高く評価されました。しかし、マイナス面としては「実際の話し方のリアルさが感じられない」「感情のやり取りが乏しい」との意見が目立ち、AI英会話の「生身の人間との会話の代替」となるにはまだ課題が多いことが分かります。
利用頻度と短い学習時間
AI英会話の利用頻度については、「日常的に利用しない」との回答が半数以上を占め、1回あたりの使用時間も短く、約15分程度とされていました。これにより、AI英会話の位置付けは英語学習において「補助的な存在」としての利用が主であることがうかがえます。
依然として「人との対話」を重視
「今後、AI英会話と外国人講師レッスン、どちらを重視したいか」という質問では、64%が「外国人講師とのレッスンを増やしたい」と回答しています。これには、「褒められてやる気が出る」「楽しい学びが得られる」といった、子どものメンタル面への働きかけが彼らにとって重要であることが影響しています。保護者側からも、「コミュニケーションの中で学んで欲しい」との意見が相次ぎ、今後もリアルな対話の育成が求められる傾向にあります。
AI英会話の今後の展望
今回の調査を通じて、小学生たちの英語学習におけるAI英会話の認知度や利用実態が明らかになりました。AIの利点には「いつでも使用可能」といった気軽さがある一方で、「臨場感不足」「柔軟性に欠ける」といった課題も列挙されました。英語学習における“リアルな対話”の重要性が再認識されている中、AIによるサポートの役割も高まる展望があります。
調査結果を見ていると、小学生の英語学習が今後も「人対人」の良さを重視しながら、AI技術の進化と共により良いハイブリッドな学び方が模索されていくことが期待されます。これにより、彼らの英語スキルの向上が図られることを願っています。