日本の伝統工芸と絶品ウニの融合
2025年1月5日に、東京の豊洲卸売市場で行われる初セリに、特別な贈り物が登場します。それは「新春干支玉手箱〜生うに 暁〜」。これは、高級ウニの水産加工業者・羽立水産株式会社と、福井県鯖江市で200年以上の歴史を誇る漆器製造の株式会社漆琳堂によるコラボレーションです。
この玉手箱は、干支の蛇をあしらった漆器に包まれた特上の生うに「暁」を贅沢に盛り込んでいます。日本の伝統工芸と食文化が見事に融合したこの特別な贈り物は、世界中でその美味しさとクオリティを広めることを目的としています。昨年2024年には「龍」をテーマにした玉手箱が好評を博し、今年は「巳」の干支が制作されます。
特上の生うに「暁」
「生うに 暁」は、北海道から直送される「はだての生うに」を使用しており、東京の豊洲魚市場でも最高値で取引されています。特にミシュランの星を獲得した数多くの老舗寿司店でも使用されており、その価値は高いものです。この生うには、羽立水産が扱う生うにの中でも、わずか1%しか得られない極上品です。手詰めで仕上げられた「生うに 暁」は、色味、味、そして仕立ての全てにおいて優れた逸品となっています。
手づくりの背景
羽立水産は、創業以来「臥薪嘗胆」を座右の銘とし、味の品質向上に努めてきました。この思いが込められた特上の生うにと、匠の技が息づく漆器が織り成す豪華な玉手箱が誕生しました。羽立水産3代目である姉妹、陽子と咲子は、このプロジェクトにも参加し、干支の蛇が浮かび上がるデザインを手がけています。
漆琳堂の技術
「生うに 暁」を納める漆器の制作は、1793年に創業した漆琳堂が担当しました。特注の木製漆塗り箱は、伝統と現代的なデザインの融合を図りつつ、金箔や銀箔を用いた装飾が施されています。塗りは黒本漆による仕上げが特徴で、豪華さを際立たせています。
特製の金具と木札
この玉手箱には、鍛冶師の吉川尊久及び有限会社大高製作所が製作した金具が施されています。また、書家・渡邉富岳によって、一文字ずつ書かれた木札も添えられています。これにより、玉手箱に込められた思いが一層深まります。
風呂敷と短歌
玉手箱を包む風呂敷は、京都の山田繊維が手がけています。角には蛇のデザインと、はだての家紋が施されています。また、短歌も高柳景多によって表現されており、贈り物としての特別感を与えています。「春暁の 差し晴れ増す也 はだてうに 人の手が取り 人の手が織る」という短歌は、このプロジェクトの精神を感じさせます。
高値で取引された歴史
昨年の初セリでは、「暁」が150万円(約400g)で落札され、マグロの最高値を大きく上回る値段で取引されました。これからも「新春干支玉手箱」が受け継がれていき、国際的なシェアが拡がることを期待しています。
この「新春干支玉手箱〜生うに 暁〜」は、日本の品質と伝統の象徴であり、新年にふさわしい贈り物として、ふるさとの味と心を世界へと発信しています。