アルコール依存症治療アプリが保険収載
2025年9月1日から、株式会社CureAppが開発した『CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリ』(以下、本アプリ)が公的医療保険に適用されることが正式に決定しました。これは国内で初めての試みであり、アルコール依存症の治療において新たな幕開けを告げるものです。
限界を超えた治療の可能性
本アプリは、アルコール依存症患者の心理社会的治療を補助するもので、患者が日々の飲酒量や体調をアプリに記録することで、アプリが個別に治療目標を提案し、行動を変える手助けをします。医師もまた、患者のデータを「医師アプリ」で確認できるため、診察の効率が上がり、治療の質が向上します。
これにより、従来の専門医療機関だけでなく、一般内科や精神科でも処方できるようになるため、アルコール依存症の早期のアプローチが可能になります。アルコール依存症は非常に深刻な病気ですが、早期に治療開始できることが、重症化を防ぐカギとなります。
現状の問題とCureAppの目指す治療法
日本国内において、アルコール依存症の治療はほとんどが専門医療機関で行われており、患者数は推定107万人とされています。その中で治療を受けているのはわずか約5万人という現状があります。多くの患者は、自分が依存症だと認識していないため、潜在的な患者数はさらに多いと考えられています。
心理社会的治療が中心となる現在の治療法は、限られた専門的な現場で行われているため、アクセスが難しいという課題を抱えていました。このアプリは、病院の外でも学習や行動変容を促すため、患者が日常生活の中で自らの健康管理を意識することができます。
新しい治療の必要性
アルコール依存症は、自身の意思で飲酒量をコントロールできない状態が続くことから、身体的かつ精神的な依存が生まれます。これにより高血圧、肝障害、がんなどの重篤な疾患を引き起こし、家庭環境や職場環境にも悪影響を及ぼすことがあります。
治療を受けるきっかけをつかみにくい患者に対し、アプリが有用な道しるべとなるでしょう。CureAppは、多くの人々がアルコール依存症から脱却できるよう、医師と患者が連携しながら適切なサポートを提供することを目指しています。
株式会社CureAppについて
CureAppは、医療系のスタートアップとして2014年に創業された企業であり、悪化しやすい依存症や慢性疾患の治療を目指し、治療アプリの研究開発を行っています。これまでにも、禁煙治療アプリや高血圧症治療アプリなど、様々な治療法を提供してきました。
今後も多種多様な疾患に対応したアプリの開発を進めるCureAppは、医療の現場において、より多くの患者に新たな治療の道を提供し続けることでしょう。
お問い合わせ
本アプリに関する情報や医療関係者からのお問い合わせは、以下のアドレスまでお願いします。
メールアドレス: [email protected]
今後の展開にぜひご期待ください。