OnAppが新しいCDNサービスを開始、中小企業にも広がる高機能ネットワーク
OnAppが実現するプロバイダー向けCDNの新境地
2011年8月8日、英国ロンドンで発表されたOnAppの新サービス「OnApp CDN」は、プロバイダーに向けた革新的なコンテンツデリバリーネットワークを提供します。これにより、プロバイダーは自らCDNインフラを構築することなく、約26億ドルの市場に迅速に参入できるのです。このサービスは、特に中小企業にとって利用しやすく、低コストで高パフォーマンスのCDNを実現します。
CDNとは、ウェブサイトのコンテンツを迅速に表示するためのネットワークであり、ユーザーが求めるデータをローカルサーバーから提供することでパフォーマンスを向上させます。従来、CDNの構築には多大な投資が必要でしたが、「OnApp CDN」はプロバイダー間で容量を売買できる仕組みを導入し、効率的にリソースをシェアすることを可能にしました。この新しいシステムにより、プロバイダーは簡単に世界規模のCDNを構築し、その収益化も図ることができます。
特筆すべきは、「OnApp CDN」が提供されるアクセス・ポイントの数です。アメリカ、ヨーロッパ、アジアの40ヵ所に及ぶアクセス・ポイントを展開し、OnAppはCDNサービスの中でトップクラスの企業となる見込みです。これにより、オンラインコンテンツのHTTP pushやストリーミングにも対応可能となり、各プロバイダーのサービスを高めます。
OnAppのCEO、Ditlev Bredahlは、CDN市場の変革について言及しました。長い間、この大きな市場は限られた業者に独占され、利用料金も高額でした。しかし、「OnApp CDN」の提供により、リーズナブルな価格で高機能なCDNサービスが手に入ることになり、プロバイダーはコストを抑えつつ高品質なサービスを提供することが可能になるのです。
さらに、このサービスは既存の取引先と連携しての利用も想定されており、オンラインコンテンツの配信をサポートする新たなツールとなります。OnApp CDNは、OnAppの技術とAflexiのリソースを統合したもので、今後マレーシアのクアラルンプールを拠点にアジアでの事業を強化していく意向も示されています。
Whei Wong、AflexiのCEOは、現在のCDN市場におけるプロバイダー数が今後数百社に増える可能性を述べ、この新サービスがオンライン小売業者、出版社、そしてオンラインビジネス全般に著しい影響を与えることを期待しています。
OnApp CDNの主な特長には、以下の三つがあります。
1. OnApp CDN スタック:プロバイダー用のCDNサーバーソフトウェアで、使いやすいウェブインターフェースを提供します。
2. OnApp CDNaaS(CDN as a Service):世界各国に配置されたサーバーの状況から最適なローカルサーバーを選定するサービスです。
3. OnApp CDN フェデレーション:容量を持つプロバイダーが参加できるネットワークを構築し、需要に応じたトラフィックの販売・購入ができる機能を提供しています。
プロバイダーは、必ずしもアクセス・ポイントを持っていない場合でも、このフェデレーションに参加することでCDNサービスを実現できるというメリットがあります。これによって、インフラ投資のリスクを避けつつ、サービスを提供することが可能です。
PEER 1 Hostingの副社長Tim Varma氏は、OnApp CDNの導入により、インフラストラクチャの構築に大きなコストをかけずに顧客に高い価値を提供できるようになると語っています。また、このフェデレーションからのアクセス・ポイント増加がもたらす新たなビジネスチャンスに期待を寄せています。
OnApp CDNは、2011年8月8日にサンディエゴで開催されるHostingCon exhibitionにおいて、正式にサービスを開始します。プロバイダー向けソフトウェアを提供するOnAppは、国内外で数百のプロバイダーに利用される存在です。今後の展開にも要注目です。
会社情報
- 会社名
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OnApp
- 住所
- 3rd Floor Old Truman Brewery 91 Brick Lane London
- 電話番号
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