エレサーモの新展開
2024-09-05 13:12:41

東工大発のエレサーモ、半導体熱利用発電技術で資金調達成功

エネルギー問題の解決を目指すelleThermoの新たな資金調達



概要


株式会社elleThermo(エレサーモ)は、東京工業大学の画期的な熱利用発電技術「半導体増感型熱利用発電」(STC)を基に、未利用熱のエネルギーを電力へと変換することを目指しています。この度、同社は株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)をリード投資家とする資金調達を行い、合計3.6億円を確保しました。これは2024年8月にクローズするプレシリーズAの一環です。

資金調達の目的


elleThermoの主な目的は、STC技術の実用化を進めることです。今回の資金は、製造施設の整備やビジネス人材、エンジニアの採用に充てられ、電池の出力向上を図ることになります。また、エンドユーザとの連携による製品開発や実証試験も継続して行っていく予定です。

STC技術の特長


STCは、熱エネルギーを電力に変換する革新的な技術です。この技術は、化学系太陽電池である色素増感型太陽電池の原理を活用していますが、光ではなく熱によって発電します。特に、約室温の低温度で発電が可能であり、さまざまな用途に利用できる可能性があります。これまでにも、恒温槽の熱でのBluetooth通信や鉱山の熱を使ったリチウムイオン電池充電などの実績があります。

事業展開の方向性


現在、elleThermoはマイクロワットレベルの発電を実現しており、今後は資金調達を活用して、発電能力を向上させるための技術開発を行います。目指すのは、ミリワットから最終的にはワットレベルの発電です。特に、データセンターや鉱山地熱、放射性廃棄物貯蔵など、様々な熱源を活用することが見込まれています。最終的には、60 cm × 60 cm × 3 cm のサーモパネルによって、200W出力の分散型電源事業を展開する計画です。

投資家の期待


今回の資金調達に関して、リード投資家である慶應イノベーション・イニシアティブの野村氏は、「未利用熱の発電が日常に根付くことで、社会は大きく変わる」と期待を寄せています。また、みらい創造機構や三菱UFJキャピタルなど他の投資家も、elleThermoの成長に対する支援を表明しています。彼らは、STC技術が環境問題解決の一助となると強く信じています。

まとめ


elleThermoは、東京工業大学の革新的な技術をもとに、エネルギー問題に立ち向かうべく着実に布石を打っています。今回の資金調達を活用して、さらなる技術開発と社会実装を推進することで、持続可能なエネルギーの供給源としての地位を築いていくことが期待されます。この技術が広まれば、未利用熱の利用範囲が広がり、環境負荷の低減にもつながるでしょう。今後の展開に注目が集まります。



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会社情報

会社名
株式会社elleThermo
住所
東京都港区芝浦三丁目3-6東京工業大学キャンパス・イノベーションセンターINDEST 3F
電話番号

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