2024年富士通SX調査レポートが明かすAIとサステナビリティの新潮流
富士通は、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)をテーマにした「富士通SX調査レポート2024」を発表しました。この調査では、AIの役割がビジネスや社会にどのような影響を与えるかを明らかにするため、世界15カ国からのCxO(経営者層)800人を対象に実施されています。近年のデジタル技術の進化とともに、企業がAIをどのように活用し、サステナビリティへの取り組みを加速させるかが注目されています。
調査の背景
富士通は2022年より、SXに関連する調査を継続的に実施し、前回はビジネスとサステナビリティの価値創出に焦点を当てました。そして今回は、AIの急速な進化に企業がどう対処しているのかに特化した調査を行いました。この調査は、オックスフォード・エコノミクスと協力して進められ、デジタルテクノロジーがどのようにSXを推進するのかを探ります。調査結果から得られた知見は、CxOへの具体的な提言にまとめられています。
主な調査結果
1. AIの活用領域が広がる
調査結果によれば、過半数のCxOがAIの革新への対応が今後の経営において重要であると認識し、AIの活用促進に努めています。おおよそ80%のCxOが、これまで難しいとされていた領域、つまり複雑な意思決定を伴う商品・サービスの機能強化のためにAIの導入を計画しています。今後3年間で、ほぼすべての業務にAIが組み込まれると予想されており、特に75%の経営者がAIと人の協力による業務プロセスの進化を視野に入れています。
2. AI導入はまだ初期段階
AI導入に対する企業の準備状況はばらつきが見られ、約40%の企業はAI全社戦略を策定していない段階にあります。企業の中でAI活用のためのリソース整備ができているのはわずか12%と、導入の初期段階にいる企業が多いことが分かりました。
3. AIがSX実現を加速
60%以上のCxOが、AIの活用がデジタル・トランスフォーメーションや社会課題の解決に寄与すると考えています。先進的な企業は、AIを基盤とした技術を利用してサステナブルなビジネスモデルを構築しており、その成果として収益化にも成功しています。
提言
これらの結果を考慮し、CXOへの提言は以下の通りです:
1. AIを通じて人の能力を拡張させる
2. AI活用の全社戦略を策定し整備を進める
3. サステナビリティ課題にAIを活かす
4. サステナビリティ向上のための組織能力を高める
5. サステナビリティ重視のエコシステムを構築する
調査概要
本調査は2024年1月に実施され、対象国は15か国で、調査方法としてはオンラインでの無記名アンケートとインタビューが用いられました。本調査は、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した取り組みの一環として位置付けられています。
まとめ
AIとサステナビリティが結びつく未来への道のりは、確実に進行中です。富士通は、これらの調査結果を基に、2030年に向けてのテクノロジー的ビジョンを推進し続け、持続可能性とデジタル革新の両立を目指します。調査レポートの詳細は、
こちらからダウンロード可能。