新エネルギー技術
2021-08-02 10:00:09
新エネルギー技術の未来を拓く研究開発事業に注目!
新たな研究開発事業の誕生
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」において、株式会社SUPWAT(東京・渋谷)と東京大学生産技術研究所(東京・目黒)の吉川研究室が共同提案したプロジェクトが採択されました。この取り組みは、機械学習を駆使した高圧水素複合容器の最適設計技術に焦点を当てています。
研究の目的
研究は、東京大学が開発した独自の有限要素法を活用したメゾスケールズーミング解析と、SUPWATが開発した機械学習モデルを基にしたタイプ4容器の最適設計システムの確立に向けて進められます。目的は、容器開発の迅速化を図るための基礎を築くことです。
このプロジェクトでは、水素タンクの様々な構造パラメータを収集し、Finite Element Method(有限要素法)を利用して正確な破裂圧力を算出します。さらに、これらのデータを基に機械学習モデルを構築し、設計に必要なパラメータの可視化機能を搭載した最適設計システムを開発します。
進化する水素タンク
最終的には、従来の破裂強度を維持しながら、炭素繊維の利用量を大幅に削減した水素タンクの設計を目指します。この技術革新は、自動車メーカーを含む多くの関係者との協力によって成し遂げられます。
本プロジェクトでは、開発したシステムを事業終了後も外部に公開し、国内外の容器メーカーからのデータ収集を通じて機械学習の精度をさらに高め、競争力の強化を図る計画です。
メゾスケールズーミング解析とは
メゾスケールズーミング解析は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の特定部位における破裂評価を行う手法です。このモデルにより、CFRP製の圧力容器の破裂圧力を正確に予測することが可能となります。また、タイプ4容器とは軽量で蓄圧器としてだけでなく、車載用やガス輸送用タンクとしても利用できる水素タンクを指します。
株式会社SUPWATと東京大学の役割
SUPWATは、製造業における研究開発において、機械学習とAIを活用して問題解決を行う企業です。彼らが開発したプラットフォーム「WALL」は、両分野を横断的にカバーし、研究開発を加速させることを目的としています。一方で、東京大学は国内最大の大学附置研究所の一つで、広範な工学分野における教育と研究に従事しています。両者の連携により、社会的な課題解決や新しい産業の創造に貢献するという期待が寄せられています。
まとめ
水素技術の拡大に向けたこの共同研究は、新エネルギー社会の実現に向けた重要な一歩です。今後の展開が非常に楽しみであり、持続可能な未来への道を切り開くことに寄与してくれることでしょう。
会社情報
- 会社名
-
株式会社SUPWAT
- 住所
- 東京都中央区日本橋一丁目4番1号日本橋一丁目三井ビルディング5階
- 電話番号
-
050-5534-1362