ニッスイグループによる水産物の資源状態調査
株式会社ニッスイ(代表取締役社長 浜田晋吾)は、2022年に取り扱った水産物の資源状態についての第三回調査結果を発表しました。この調査は、ニッスイ及びそのグループ企業37社が取り扱った水産物の持続的調達の状況を評価することを目的としています。
調査の概要
2022年の調査では、国内外のグループ企業が対象となり、天然水産物と水産物加工品の資源状態が詳しく分析されました。今回の調査は、2018年と2021年に行われた第1回及び第2回調査に続くもので、調査の客観性を保つために第三者機関によるデータと分析が活用されています。特に、SFP(Sustainable Fisheries Partnership)が提供するFishSourceデータベースを用いて評価が行われました。
第3回調査の結果
調査対象となった水産物は、自社グループの漁業および外部から調達した天然水産物及び加工品で、合計276万トンの原魚換算重量が記録されました。魚種数は304であり、漁場も18カ所に広がっています。
- - 資源の管理状況: ニッスイグループが取り扱った水産物の内、83%は管理の仕組みが整った漁業から来ており、そのうち75%が適切に管理されている資源です。この割合は前回調査の71%から増加しています。
- - 漁業の改善: 資源状態が「要改善」とされる漁業からの調達は8%であり、評価が困難な漁業は17%を占めています。これらのデータは、今後の対策として重点的に取り組むべき課題を浮き彫りにしています。
今後の取り組み
ニッスイグループは、特に資源状態が把握困難な魚種について優先的に対応し、FIP(Fishery Improvement Project)を通じた改善を目指します。また、漁獲情報の収集を行い、サプライヤーとの協力によるトレーサビリティの確保にも力を入れます。さらに、人権に関するリスク把握の評価方法の検討も進めています。
絶滅危惧種の調達ポリシー
調査結果では、絶滅危惧種の取り扱いが13種に減少しました。Nissuiは、2030年までに絶滅の危険度が高い水産物への対策が見られない場合、調達を停止する方針を持っています。持続可能な水産物の調達に向けた取り組みとして、MSC(Marine Stewardship Council)認証の取得や、サプライチェーンの改善を進める姿勢を示しています。
最後に
ニッスイグループの今回の調査結果は、持続可能な水産物の確保に向けた重要な指針となります。今後も海洋の生態系保全と持続可能性に配慮した事業運営を続けていくことが期待されます。詳しい内容は、ニッスイの公式サイトで確認が可能です。