広がるブランド価値実現率の重要性
株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所が、日本のブランドに対する消費者調査を元にした『ブランド価値実現率』の分析結果を発表しました。近年、ブランド価値の測定は主に財務的アプローチが用いられてきましたが、それでは消費者の認知や印象を適切に反映できないケースが多く、実際のブランド価値を把握する上での限界が存在します。
ブランド価値実現率の定義
この新しいアプローチの一環として示されたのが「価値実現率」という指標です。これは、消費者の支払意思であるWTP(Willingness To Pay)を希望小売価格で割った数値で、価値実現率が100%以上であれば消費者の支払意思が希望小売価格を超え、逆に100%以下であれば下回っていることを示します。この指標により、ブランド価値の底上げが求められる状況をはっきりと可視化できることが可能になりました。
消費財とサービスブランドの違い
この分析では、まず30の消費財ブランドが取り上げられましたが、全てのブランドが希望小売価格を下回る結果となり、ブランド価値を高める必要性を浮き彫りにしました。一方、サービスブランドでは、「サイゼリヤ」と「マクドナルド」の2ブランドが100%を超える結果を示しています。
サービスブランドにおいては、単に価格設定のみならず、従業員の接客や体験の質が消費者のブランド評価に大きな影響を与えるため、ブランド価値を体現する要素としての「体験」が一層重要視されています。
ブランドの性格と価値メッセージの最適化
消費者がブランドに感じる性格やイメージは、ブランドの実力を測る上での鍵となります。近年の研究によれば、消費者とブランドの性格の適合性が、ブランド価値の実現に影響を及ぼすとのことです。これを踏まえ、ターゲット層の性格を理解し、適切な価値メッセージを発信することが重要です。
株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所は、このようなデータを基にしたサービスパッケージを提供し、企業が自社ブランドの価値を拡張できるよう努めています。今後の発表として、耐久財に関するブランドを含む、新たなランキングの公開が予定されています。
まとめ
消費者視点の分析に基づくブランド価値の測定は、企業が持つ「見えない資産」を明らかにし、ブランド戦略の再構築に役立ちます。この新たな視点を取り入れることで、ブランド価値を高め、市場での競争力を強化する一助となるでしょう。
詳細な情報は、株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所の公式ウェブサイトをご覧いただくことをお勧めします。