AIがもたらす新たな相談相手
AI技術の進化により、人々とAIとの関係が新たな段階に突入しています。株式会社アウェアファイが発表した最新の調査結果によると、対話型AIは多くの人にとって「最も身近な相談相手」として受け入れられています。本記事では、この調査結果をもとに、AIがもたらすメンタルヘルスの支援の形を探ります。
AIの相談しやすさ
調査結果によれば、対話型AIへの相談しやすさが人間よりも高いことが明らかになりました。悩みを相談しにくいと感じる人の割合は、AIがわずか11.3%であるのに対し、人間の平均は63.8%に及びます。これを特に、親しい人や配偶者との比較した際、その差がより際立ちます。特に、配偶者に相談しづらいと感じる人が21.6%であるのに対して、AIではその割合は大幅に下がります。
AIの使いやすさはまた、誰でもアクセスできる点でも優れています。調査では、配偶者を相談相手として持たない人が45.7%という現実がありますが、AIへのアクセスはほぼ全員が可能です。このことから、AIは心理的な支援を必要とする人にとって、非常に有用な存在として位置づけられていることがわかります。
AIとの新しい関係
ただし、AIを利用することで得られる心理的な支えには、一方で不安感も伴います。調査で尋ねられた「AIを使えなくなったら不安か?」という問いに対し、活用者の一部は強い不安を感じていると答えました。特に日常業務や悩み相談にAIを依存する人が多く、AIの反応が変わったり使えなくなったりすることに対して、強い懸念を持っています。
この不安感はAIとの関係性が深まるほど増す傾向にあり、AIの応答が変わることについては嫌悪感を抱く一方で、利用できなくなることへの不安も大きくなっています。調査では特に「非常に強い不安」を示す層に顕著な傾向が見られました。
AIがもたらす心の支援の変化
このような状況を受け、AIと人との関係は、心の支援における新たなリスクと期待を同時に抱えることになります。AIは人のこころに新たなリスクをもたらす一方で、これまでにないサポート資源ともなりうるのです。このことから、AIを実際の支援とどのように結びつけるかは、今後の重要な課題といえるでしょう。
アウェアファイならではの提案は、これらの不安を軽減しつつもAIをうまく利用する方法を模索することです。例えば、AIの存在の安定性がその利用者のメンタルヘルスに与える影響や、支援機能を拡充するほか、利用者と専門家、社会がこの関係性をどのように理解していくかを共同で考える必要があるでしょう。
AIが心の支えとして進化する中、私たちはその利用方法を共に探求し、新しい形の心の支援の在り方を築いていかねばなりません。アウェアファイおよびこころの総合研究所はその道を引き続き進んでいく意向です。