有明高専、半導体設計教育の新たな拠点「CDEC」を発足

有明高専、半導体設計教育の新拠点「CDEC」を発足

福岡県大牟田市に位置する有明工業高等専門学校（以下、有明高専）は、令和7年4月1日から新しい教育拠点「サーキットデザイン教育センター（CDEC）」を設立しました。この新しい施設の設立を記念するシンポジウム「半導体人材育成と未来への展望」が、令和7年9月29日に大牟田市総合体育館（おおむたアリーナ）で開催される予定です。

CDEC 設立の背景と目的

最近では、AIやIoT、自動運転といった次世代技術が進歩し、それを支える半導体や集積回路の役割が非常に重要になっています。しかし、かつて半導体技術で世界をリードしていた日本は、産業の変化に対応できず、特に設計分野での専門人材が不足しています。この問題を解決するために、CDECは有明高専が長年培った半導体設計教育のノウハウを活かし、全国の国立高専と連携して、実践的かつ研究開発志向の人材を育成することを目指しています。

全国国立高専との連携

CDECは「高専発！ Society5.0 型未来技術人財育成事業（COMPASS5.0）」に参加し、特に半導体分野での人材育成を支援します。地理的な制約をなくすため、佐世保工業高等専門学校や熊本高等専門学校との連携を強化し、オンライン授業や企業との協業を通じて全国の高専生に質の高い教育を提供します。CDECは、実践的な半導体人材と研究開発志向の人材、双方の育成を加速する役割を果たします。

開所記念シンポジウムの主な内容

産学トップランナーが集結

シンポジウムでは、半導体人材育成と未来に関するテーマでさまざまな専門家が講演を行います。基調講演には、東京大学の池田誠教授と国立情報学研究所の安浦寛人副所長が登壇し、半導体技術の最新の動向と人材育成の重要性について深く掘り下げます。さらに、高専の取り組みを紹介するコーナーもあり、佐世保高専の高倉健一郎教授や熊本高専の城野祐生教授が具体的な活動を紹介します。