唾液ケア科学会が新たに認定制度をスタート
特定非営利活動法人日本唾液ケア科学会は、口腔から全身の健康を目指すために唾液ケアに関する新たな認定制度を始めました。この制度は、唾液検査を高度化し、その結果に基づくケアを進めることで、私たちの健康をサポートすることを目的としています。
唾液は口腔環境の維持だけでなく、全身の健康にも深く関係している重要な要素です。しかし、その重要性はまだ十分に理解されていないのが現状です。一般的には唾液検査は簡便であると捉えられていますが、時には精度が不十分なまま実施され、正確な評価やケアに繋がらない場合もあります。このような問題を解決すべく、今回の認定制度では信頼性の高い検査法を普及し、それを運用できる専門家の育成を目指しています。
認定制度の意義
この制度は、単に資格を与え、認定証を交付することを目的とするものではありません。認定された方々は唾液検査及び唾液ケアの分野での臨床研究チームの一員として、共にこの未開拓の領域を切り開いていく使命を担います。学びと実践を通じて、唾液検査やケアの標準化を進め、社会に具体的な成果を還元することを意識しています。
本学会では、唾液の力を高めることが食事を楽しくしたり、笑顔で会話を楽しむこと、健康的に歌うことに繋がると信じています。そしてこの認定制度により、より多くの人々が正しい知識と技術を身につけ、地域医療に貢献できる人材として活躍することを期待しています。
学べる内容
この認定制度のプログラムには、唾液ケアに関する最新の科学知識と実践技術を体系的に学べる内容が含まれています。特に臨床応用を重視した授業内容は以下の通りです:
- - 唾液ケアの意義と制度: 認定制度の重要性や、様々な職種の協力による唾液ケアの概要と倫理。
- - 基礎知識編: 口腔や唾液腺の解剖学、機能、唾液の科学(量、機能、成分)など。
- - 口腔疾患と唾液の関係: 齲歯や歯周病、オーラルフレイル、口腔機能低下症、口腔乾燥症などの診断とアプローチ。
- - 唾液検査: 安静時および刺激時の唾液測定法、緩衝能の評価法等について。
- - 唾液ケア実践: 乾燥対策、感染予防、唾液のpH改善法など具体的な技術。
認定制度の詳細
申請受付は2025年7月1日から8月30日まで行われ、受講は動画配信とオンライン試験を通じて行われます。対象資格者は歯科衛生士、看護師、歯科医師、医師です。
認定名称と費用は以下の通り:
- - 唾液ケア専門師(歯科衛生士・看護師):5,000円。
- - 唾液ケア認定歯科医師・医師:10,000円(資格審査料、動画視聴料、試験料、認定証発行料を含む)。
唾液ケアとは
本学会が提唱する唾液ケアは、唾液の生理機能を基にした医学的アプローチに加え、人との関わりや本人の意欲を重視する新しいケア概念です。これにより、フレイル、がん治療、障害者医療、終末期医療、小児ケア、フェムケアに至る多様な臨床領域での応用が期待されています。
詳細や申し込みは公式HPでご確認ください:
日本唾液ケア科学会
法人情報
- - 法人名: 特定非営利活動法人日本唾液ケア科学会
- - 代表者: 槻木 恵一
- - 所在地: 神奈川県横須賀市稲岡町82 神奈川歯科大学 環境病理学分野内
- - 設立: 2022年3月
- - 事業内容: 唾液を通じた健康効果の科学的解明と普及活動による健康増進
- - URL: 日本唾液ケア科学会公式サイト