リモートワークと出社の違いが明らかに!
株式会社LASSICが運営する「テレワーク・リモートワーク総合研究所(テレリモ総研)」は、リモートワークとフル出社の働き方による「求められる能力」についての調査を行いました。リモートワーカーとオフィス勤務者それぞれに必要なスキルがどのように異なるのかを探り、約1,000人のビジネスパーソンにアンケートを実施し、その結果が注目されています。
変化する働き方に求められる能力
昨今、賃上げや人的資本経営の改革が進む中、個人がどのように成果を出すべきかが変わりつつあります。具体的には、勤務形態によって求められるスキルが大きく異なることが明らかになりました。
リモートワークにおけるスキル
リモートワークの場合、必要な能力として「スケジュール管理力」「情報収集力」「自己管理力」が挙げられました。リモート環境では上司や同僚が近くにいないため、自律的に進める力が必要とされます。物理的に離れた環境では、進捗確認や会議のタイミングを自分で決めなければならず、自己を律する力が不可欠です。つまり、リモートワーカーは、自分自身で仕事のペースを作り、生産性を維持する責任を負っています。
フル出社勤務におけるスキル
一方、フル出社勤務では「コミュニケーション力」「チームワーク力」「交渉・調整力」が重視されます。周囲には常に同僚や上司がいるため、人と直接接することで得られる情報や刺激が多く、これら対人スキルが求められます。出社していることで、他者と協調しながら効率的に仕事を進めることができる環境にあるのです。
このように、リモートワークとフル出社では、それぞれの業務において必須のスキルセットが根本的に異なることが分かりました。
コミュニケーションの重要性
調査結果から特に興味深かったのは、「コミュニケーション力」と「チームワーク力」といったスキルが、フル出社で重視されている点です。リモート勤務と比較して、これらのスキルはそれぞれ17.4ポイント、16.6ポイントほども高い数値を示しています。
出社勤務では、会議や日常の雑談が、仕事の幅広い側面に影響を与えます。空気感を読み取り、理解し合うことで、業務を円滑に進める力が求められ、現場にいることによって相手の反応を直接感じられる利点もあります。
ストレス管理力の必要性
また、フル出社の勤務者が「ストレス管理力」を重視している傾向があることにも注意が必要です。直接対面での関係は、相手の反応が自分に与える影響が大きく、どうしてもストレスを感じる機会が多いものです。満員電車や突発的な仕事に対応する能力が、ストレス管理を大切にする背景にあります。
自分に合った働き方を選ぶ
これらの結果から、出社勤務は「対人スキル」や「心の管理」を強化する働き方であり、リモート勤務ではテクノロジーやデジタルスキルを培いやすい環境であることが明らかになりました。出社回帰が進む中で、自分に合った働き方を見つけ、この違いを活かすことが重要です。自分にとっての強みを理解し、どちらの環境で力を発揮できるかを検討することが、今後のキャリアにとっても有益でしょう。
調査概要
・調査期間 : 2025年4月8日〜4月16日
・調査対象 : 20歳〜65歳のテレワーク/リモートワーク経験者1003名
・調査方法 : インターネット調査