高校生vs社会人: デジタルスキルで明暗が分かれる
東進ハイスクールなどを運営する株式会社ナガセが実施した社会人と高校生のデジタルスキル比較調査で、興味深い結果が出た。高校生のデジタルスキルが社会人を上回っているというのだ。特に、データ活用やプログラミング的思考といった分野において、高校生の正答率が社会人を上回った。
調査では、東進が実施する「全国統一デジタルスキルテスト」と「全国統一高校生テスト」の結果をもとに、社会人と高校生のデジタルスキルの比較が行われた。高校履修科目である「情報Ⅰ」の範囲に該当する20問を分析した結果、16問で高校生の正答率が社会人を上回ったという。
二分探索の理解度で明暗が分かれる
例えば、アルゴリズム(二分探索)の理解度を測る問題では、高校生の正答率は62.9%、社会人は37.7%に留まった。この結果は、新課程「情報Ⅰ」でデータ活用やプログラミング的思考を学んでいる高校生が、社会人よりも高いレベルのデジタルスキルを身につけていることを示唆している。
二分探索は、効率的にデータを探すためのアルゴリズムであり、プログラミングやデータ分析において重要な役割を果たす。企業活動においても、アルゴリズムの設計やデータ処理の最適化などにおいて二分探索は頻繁に用いられる。そのため、デジタル人財にとって、二分探索の理解は非常に重要であると言える。
社会人のデジタルスキル不足が浮き彫りに
一方で、今回の調査結果は、現在の社会人が持つデジタルスキルの不足も浮き彫りにした。特に、アルゴリズムや統計分析などのデジタル活用のロジックに対する理解において、社会人の正答率は低かった。
社会人がデジタルスキルを向上させ、デジタル社会に対応していく必要性を示す結果と言えるだろう。
企業はデジタル人財育成を加速させる必要
今回の調査結果を踏まえ、企業はデジタル人財の育成・発掘を加速させる必要がある。デジタルスキルは、今後ますます重要になっていくため、社員のデジタルスキルの向上を支援し、デジタル人財を育成することが、企業の競争力向上に繋がるだろう。
東進デジタルユニバーシティが「全国統一デジタルスキルテスト」開催
東進デジタルユニバーシティでは、企業向けの統一テスト「全国統一デジタルスキルテスト」を2024年11月に開催する。このテストは、経済産業省が定める「デジタルスキル標準」に基づいており、企業のデジタルスキル向上とDX推進を支援することを目的としている。
本テストを活用することで、組織全体のデジタルスキルを可視化し、潜在的なDX推進人財を発掘することができる。社員のデジタルスキルの可視化と向上に繋がるテストとして、注目を集めている。