2026年に創業80周年を迎える伊東の老舗駅弁店、祇園の歴史
静岡県伊東市に本社を置く株式会社祇園は、2026年4月に創業80周年を迎えることを心待ちにしながら、同年の準備活動を本格化しています。そして、4月10日の「駅弁の日」を機に、祇園と駅弁との深い関係や、創業からの歩みを振り返ることにいたしました。
「駅弁の日」の背景
「駅弁の日」は、1993年に日本鉄道構内営業中央会により制定され、4月10日という日付は、数字の「4」と「十」を合わせた形が「弁」に見えること、また「10」の音が「当(とう)」に通じることが由来とされています。さらに春の行楽シーズンに重なるこの日は、日本独自の駅弁文化を見つめ直し、旅と食の魅力を再発見する日として広く認知されています。
祇園と駅弁の歴史
株式会社祇園は、1946年の戦後に発足しました。当時、入手困難だった砂糖を用いて味付けをし、白米を詰めたいなり寿しを通じて、より美味しい食を地域に届けたいという強い思いから始まりました。最初は専門店としていなり寿しを提供していましたが、鉄道の利用客が増加するにつれ、駅弁の製造も開始しました。伊豆観光の玄関である伊東駅において、旅のスタートにふさわしい彩りと味を提供し続けています。
代表的な「いなり寿し」は、創業当初からの看板商品であり、甘く味付けされた油揚げに寿司飯を詰め込んだ、そのシンプルなのに奥深い味わいが評価されています。また、「幕の内弁当」は、鶏の唐揚げや天ぷら、卵焼きなどの多彩なおかずを盛り込んだ人気商品で、さらに「おにぎり弁当」では、しゃけ、わかめ、梅干しなどのおにぎりと鶏の唐揚げ、卵焼きが一緒に楽しめます。これらの駅弁は、地元の新鮮な食材を活かした逸品として、多くの観光客や地元の人々に愛されています。
2026年に向けた新たな挑戦
2026年4月に創業80周年を迎えるにあたり、祇園は2025年を準備の年と位置づけ、記念イベントや限定商品の企画、地域と共に進めるプロジェクトの準備を進めています。代表取締役の守谷匡司氏は「80周年を迎えられるのは多くの方々に支えられた結果で、深く感謝しています。この感謝を込めて、地域に根差しながら新たな挑戦に挑み続けたい」と話しています。
伊東でのイベントへの参加
5月17日(土)と18日(日)には、静岡市にあるグランシップにて開催される「グランシップトレインフェスタ2025」に出店し、静岡県内の他の駅弁業者と共に名物の駅弁を販売する予定です。イベントを通じて、伊東の味を多くの人々に知ってもらう機会となればと願っています。
会社概要
- - 社名: 株式会社祇園
- - 所在地: 静岡県伊東市広野1-2-15
- - 創業: 1946(昭和21)年4月
- - 事業内容: 駅弁の製造・販売、仕出し弁当・惣菜の製造、小売業、飲食事業
- - 公式ウェブサイト: gionzushi.jp
- - Instagram: gionzushi
- - X: gionzushi
株式会社祇園は、駅弁文化を支え、今後も地域に密着した活動を続けていくことでしょう。