サンスターが発見した唾液中のF.n.菌と歯周病菌の相関関係とは

サンスターグループは、唾液中に存在するFusobacterium nucleatum（F.n.菌）が口腔内の細菌の増殖に影響を与えることを新たに発見しました。この発見は、歯周病の進行を防ぐための新しい道筋を示唆しています。

研究の背景と目的

歯周病は、一般的に歯を支える組織に影響を及ぼす炎症性の疾患であり、歯を失う主要な原因となります。また、最近では全身の健康にまで深刻な影響を及ぼすことが知られています。このため、サンスターは2015年より、唾液中の口腔細菌と歯周病の関係について調査を進めてきました。

この研究には、20歳から75歳までのサンスター従業員611名が参加しました。唾液_samplesを採取し、次世代シークエンサーを使って、口腔内細菌の遺伝子を解析しました。

F.n.菌と歯周病菌の関連性

研究の結果、唾液中のF.n.菌の存在割合が高くなると、口腔内で検出される細菌の種類が増加することが確認されました。特に、病原性の高いレッドコンプレックスやその他の新種の歯周病菌を含む28種の細菌の増加に関与していることが明らかになりました。

F.n.菌はデンタルプラークの形成において重要な役割を果たし、歯周病の原因となる細菌の増殖を助けます。また、近年の研究で大腸がんとの関連性も報告されています。

研究の成果

1. 唾液中のF.n.菌の割合が高くなると、口腔内での細菌の種類が増える。
2. F.n.菌の存在が、レッドコンプレックスや新種の歯周病菌を含む28種の口腔内細菌の割合に影響を及ぼすことが分かりました。

この研究成果は、米国微生物学会の専門誌「Microbiology Spectrum」に掲載され、広く知られることになりました。これにより、F.n.菌の制御が歯周病菌のコントロールに重要であることが示唆されています。

今後の展望

研究結果は、F.n.菌を抑制することが歯周病の予防にとどまらず、口腔健康から全身の健康を推進する鍵であることを示しています。サンスターはこれを受け、歯周病予防の革新を図り、F.n.菌の研究開発をさらに進める方針です。

F.n.菌は、歯周病だけでなく、大腸がんとの関連でも注目されています。このため、F.n.菌のコントロールはより広範な健康問題に貢献する可能性があります。