富士フイルムビジネスイノベーションの採用基盤改革
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が新卒採用活動において、情報の透明性を高める新たな取り組みを始めた。企業のイメージをしっかりと構築し、信頼をもって就職活動を進められる環境作りを目指す同社の具体的な施策について見ていこう。
新しい歴史の中での変革
同社は1962年の設立以来、約60年の歴史を持つ企業であり、2021年4月には「富士ゼロックス」から「富士フイルムビジネスイノベーション」に社名を変更した。この変化は、新たな市場や地域への進出を図るチャンスであり、革新を象徴するものでもある。しかし同時に、採用活動においては「企業イメージの希薄化」や「情報の誤解」が浮上してきた。
特に、デジタルネイティブ世代である就活生たちが、SNSやWebコンテンツから得る情報が企業の実態とは異なることが多く、誤った認知が広がることを懸念している。
採用基盤の見直し
このような課題を受け、富士フイルムビジネスイノベーションでは採用育成センター全員が再考を重ね、「何が最も重要なのか」を問い直す作業を進めている。最終的には、「より良い相互理解(better understanding)」が採用活動の基盤となることを確認した。この考え方は、長年大切にされてきた企業の哲学でもある。
「誰もが働きがいを得られる社会の変革」に向けて、様々なビジネスを展開する中で、相手のニーズを理解し共に考えることで、価値ある仕事を生み出すことを目的としている。
施策の具体案
この「より良い相互理解」を実現するため、富士フイルムビジネスイノベーションでは以下の具体的施策を導入していく。これらの施策は、企業側の透明性ある情報開示が前提となっている。
1. 本選考エントリー時の情報開示の拡大
- - エントリーシートの設問内容の目的や確認視点を明示する。
- - エントリーに関する説明会を実施し、スケジュールやプロセスについての質疑応答を行う。
2. 面接に向けた準備環境の強化
- - 面接の目的や内容、面接官の属性を事前に提示することで、就活生が自分を表現しやすい環境を整える。
- - 最終面接前には、採用担当者との面談会を設け、面接への理解を深める機会とする。
3. 意志決定に必要な情報の体系化と適切な開示
- - 内定承諾段階での判断材料となる情報を整理し、自発的に適切な情報開示を実施。
- - 情報開示は定量的なデータを重視し、認識のずれを防ぐよう努める。
採用担当からのメッセージ
採用育成センター長の広森順子氏は、「相互理解の考え方に共感を持つ仲間たちを迎え入れ、一緒に成長することを楽しみにしています」と述べている。また、広報担当の戸田隆光氏は、現在進行形の取り組みを強調しつつ、正解のない採用活動においては「考え、行動し続けること」で最良の結果を生むよう努めていくとの考えを示している。
会社の概要
富士フイルムビジネスイノベーションは、東京都港区に本社を置き、1962年に設立。資本金は200億円である。公式ホームページは
こちら からアクセス可能だ。
以上のような取り組みを通じて、企業と就活生とのより良い相互理解を築き、新卒採用を新しいステージへ推進していく富士フイルムビジネスイノベーションの姿勢が伺える。