内田奈緒氏設計「遊びの塔」
2024-06-28 12:32:54

AI時代を生きる子どもたちのための建築:清春芸術村に内田奈緒氏設計の「遊びの塔」が誕生

AI時代を生きる子どもたちのための建築:清春芸術村に内田奈緒氏設計の「遊びの塔」が誕生



山梨県にある芸術文化施設「清春芸術村」に、株式会社ジャクエツと建築家・内田奈緒氏が共同制作した子ども向けの建築「遊びの塔ーtower of play」が完成し、公開されました。

この「遊びの塔」は、子どもたちが身体を通して空間を認識し、感性を育むための空間として設計されています。内田氏は、幼い子どもにとって「登る」という行為が、周囲の空間を再認識する原点となる感覚だと考えています。

「遊びの塔」は、四本の柱と梁と屋根で構成されたシンプルなフレームに、傾斜した柔らかい床を重ねることで、階や部屋といった要素を意識させながらも、上に向かって緩やかに連続するような構造になっています。子どもたちは、この塔の中で、床に身を委ねたり、外の景色との関係性を変化させながら、自由に遊び、感性を育むことができます。

内田氏は、「この建築の中で、じっとしているだけでも身体と建築との間のエネルギーのやりとりが意識されるような、そんな体験をして欲しいという想いがありました。」と語っています。

「遊びの塔」は、子どもたちが遊びを通して創造性を育むだけでなく、建築と身体の関係性、空間と人間のつながりを深く理解する機会を提供する空間となっています。

# 清春芸術村について



清春芸術村は、1980年に清春小学校の跡地に、武者小路実篤や志賀直哉をはじめとする白樺派同人による美術館構想を実現すべく、吉井長三が私財を投じて完成させた芸術文化施設です。敷地内には、建築家・谷口吉生設計の「清春白樺美術館」、ルオー礼拝堂、杉本博司+榊田倫之のゲストハウス「和心」など、数々の名建築が立ち並んでいます。

# 株式会社ジャクエツについて



株式会社ジャクエツは、1916年に創業し、「未来は、あそびの中に。」をスローガンに掲げ、幼児施設向けの教材や遊具の製造販売から始まり、園舎の設計施工を行う企業です。近年では、美術館や他の公共施設、商業施設においても高品質なあそびの環境をデザインすることで、子どもたちの成長を支える「未来の価値」を創造し続けています。

# 建築家・内田奈緒氏について



内田奈緒氏は、東京生まれの建築家です。2010年より日本デザインセンター・原デザイン研究所にて空間、建築関係のプロジェクトに携わり、2016年に東京大学大学院工学系研究科建築学専攻を修了しました。在学中の2014-2015年にはスイス連邦工科大学 (ETH)に留学し、その後デザインオフィスに在籍し、国内外でインスタレーションや展覧会の会場構成、建築・家具のデザインを担当しました。現在はを主宰し、建築や内装、家具等の設計に従事しています。また、バーゼルと東京を拠点とする建築設計事務所<an-a-c>共同主宰も務めています。

「遊びの塔」は、子どもたちの遊びと成長を支えるだけでなく、建築の新しい可能性を追求する、内田氏による革新的な建築と言えるでしょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

トピックス(地域)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。