大同メタル工業が新しい環境配慮型水処理技術を導入

大同メタル工業の新技術が実現した脱イオン水処理装置

大同メタル工業株式会社（以下、当社）は、最新の電気式脱イオン法（Battery Deionization、BDI）を用いた脱イオン水処理装置の初受注を得たことを発表しました。この技術は、環境負荷の低減と水処理コストの削減を両立するもので、業界内外で高い評価を受けています。

BDI技術の特長と仕組み

当社のBDI技術は、独自に開発したキャパシタ用電極シート「デルエコー(R)」の技術を応用し、水中のイオンを電極に効率的に吸着する方法を採用しています。これにより、従来の水処理技術と比べて、省薬品性、低電力性、そして高い水回収率を実現しました。

主な特長は次の通りです。

- 環境に優しい薬品使用：従来の水処理に用いられる塩酸や苛性ソーダなどの有害な薬品は使用せず、一般的に扱いやすいクエン酸だけを使用します。
- 省エネルギー設計：独自の電力制御により、脱イオンプロセスでは低電力での運用が可能です。
- 高水回収率：最大90％の水回収率を誇り、効率的な水処理を実現します。

受注内容と導入先

今回の受注は、国内の製造企業に向けたもので、装置は1日あたり最大58トンの純水を製造可能です。詳細な導入先は非公開ですが、当社の技術が実際に稼働を開始することは、業界としても重要な一歩となります。

環境問題への対応と今後の展望

最近では、企業や社会全体で環境への配慮がますます求められています。この潮流に合わせて、当社はBDI技術を開発し、環境対策に対するオプションを拡充してきました。今後は、純水製造のみならず、他の用途での展開も視野に入れ、さらなる技術開発に取り組んでいきます。

バックグラウンド

当社は1939年の創業以来、自動車や船舶、建設機械など多様な産業向けに軸受（ベアリング）を製造・販売してきました。今では、日本国内だけに留まらず、北米、欧州、アジア、中国などの地域でも生産と販売を行っています。特に、自動車のエンジンや大型船舶のエンジンに使用される軸受では、世界中で圧倒的なシェアを誇っています。

この新しい脱イオン水処理装置の導入は、当社の革新技術が環境問題の解決に向けて第一歩を踏み出したことを意味します。今後も環境配慮を真剣に取り組む企業として、引き続き進化し続けます。